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キーワード解説:
スリットリフトテクニックは水口が考案した上顎洞底挙上術のテクニックの1つで、既存骨の薄い症例において上顎洞粘膜を安全に剥離し、確実性を高める手法である。
具体的には、(1)ダイヤモンドバーにて1歯につき6mm程度のスリットを近遠心的に形成し、(2)専用器具(オステオプッシャー:プラトンジャパン)にて上顎洞底骨を穿通(1歯のスリットに対して2~3回押し破る)、(3)手用器具にてソケットをつなげてスリットを完成させ、さらにスリットの縁から2~3mmほど上顎洞粘膜の剥離を行う、(4)骨補填材を填入する際は垂直ではなく、なるべく骨に添って水平に填入する、(5)スリットの適切な位置にインプラントを埋入しやすいように専用器具にて拡大する、(6)最後にインプラントを慎重に埋入する。
本テクニックの特徴としては、従来のクレスタルアプローチと比較して上顎洞粘膜にテンションがかかりにくいこと、また従来のラテラルアプローチと比較して切削部分が小さく、手術時間の短縮と手術の難度が高くないことが挙げられる。