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歯周治療における1歯ごとの予後判定

【読み】:ししゅうちりょうにおけるいっしごとのよごはんてい
【英語】:the prognosis judgement system of each tooth in periodontal therapy
【書籍】: 保険のペリオを極める
【ページ】:28、97

キーワード解説:

 歯周治療における1歯ごとの予後判定は昔から行われており、2段階から5段階までさまざまな形で判定法が示されてきた。しかし、これらの判定に数値的な基準等はなく、歯科医師ごとにその判断にはズレが生じる可能性がある。そこで本書の筆者である大月と牛窪は、単純に以下の「保存可/クエッショナブル/ホープレス」の3段階で判定する方法を使用している。
 「保存可」は保存が保証できる状態で、適切なセルフケアとメインテナンスプログラムで長期的に歯が残る可能性が高い。口腔機能回復治療が必要な場合も、補綴装置の支台歯として問題なく利用できる。
 「クエッショナブル」は治療を行ったとしても保存を保証できない状態である。長期的な研究からは、クエッショナブル歯でも高いレベルのセルフケアとコンプライアンスが維持されれば、歯周炎による抜歯の可能性は低いとされるが、患者個々の因子により抜歯の判断を下すことも起こりうる。
 「ホープレス」は歯周組織の破壊が著しく、基本的に抜歯が必要な状態である。
 歯科医療従事者としては、まず「クエッショナブル」を保存できるような体制を整えることが求められる。さらに「クエッショナブルをどうするのか?」を患者と共有し、患者とつきあっていくなかで共に考えていくことも重要である。