キーワード解説：

　左右２歯ずつの４歯を固定源とした固定式拡大装置である。固定源には乳歯を利用する場合と永久歯を利用する場合がある。固定式のため、急速に拡大しても装置が不適にならず拡大することができる。また、拡大力が強いため、上顎正中口蓋縫合部での骨離開による拡大を可能とする装置である。拡大ネジを回すことで断続的な拡大力を生ずる。固定歯のバンドに上顎前方牽引用のフックをろう着することで、骨格性反対咬合の改善も可能となる。この装置のメリットは、拡大時に傾斜移動しにくいこと、拡大のスピードが速いこと、上顎前方牽引も同時に可能であること、乳歯に装着することで第一大臼歯が萌出遅延の状態でも使用が可能なことである。