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アグリゲイティバクター・アクチノミセテムコミタンス

【英語】:Aggregatibacter actinomycetemcomitans
【書籍】: nico 2022年4月号
【ページ】:34

キーワード解説:

 「凝集」(アグリゲイション)する「桿菌」(バクター)を意味する属名と、「放線菌」(アクチノミセス)と「一緒」(コミタンス)を意味する種名をもつグラム陰性菌。略してA.a.菌と呼ばれる。きわめて進行の早い歯周炎から見つかる細菌で、菌体周囲の長い線毛により強固なバイオフィルムを形成する。
 この細菌の最大の特徴は、免疫細胞(好中球やマクロファージ)を破壊する外毒素である「白血球毒素」、免疫細胞を膨張させ機能不全にする外毒素である「細胞致死性膨化毒素」、そして炎症を引き起こす強力な内毒素を持つことにある。A.a.菌による急性歯周炎は、これらの外毒素と内毒素の複合的な作用によるとされる。
 多くの人が罹患している慢性歯周炎では、歯周ポケット内へのバイオフィルムの付着や歯石の沈着が目立ち、その除去が治療の指標となる。しかしA.a.菌の場合は、バイオフィルムや歯石が比較的少なめであり、プラークコントロール不足が目立たないことから、感染管理の必要性が初期段階では見逃されやすい。感染すると若年層でも歯槽骨の破壊が急速に進行するため、日ごろからの定期的な歯科受診が望ましい。