キーワード解説：

　スティグマとは、属性、特性、障がいなどにより、通常の人びとと区別され、容認し難い存在として特徴づけられることを言う。負の烙印、社会的恥辱といった意味である。スティグマの発生源は、マスメディア、上司、同僚、友人、家族、医療従事者などの生活のなかである。患者はこのような差別的な環境にさらされ続けるうちに「人とのかかわりを避ける」、「医療を拒む」、「病気によって自分から多くの機会を奪われたと思う」など、セルフスティグマ傾向が強くなる。これを減らすためには、病気に対してネガティブなイメージを形成させずに、患者がセルフアドボカシー（自己権利擁護）能力を発揮できるような臨床に根ざした活動が重要である。