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側方牽引型矯正的組織造成法

【読み】
【英語】
orthodontic implant site development-lateral movement
【書籍】
オルソインプラントセラピー
【ページ】
233

キーワード解説

 矯正的組織造成法とは、矯正力によって歯を牽引して歯根膜による骨や粘膜を牽引側に造成させる手法を指し、インプラントサイトディベロップメントとして用いられることが多い。牽引側は歯周靭帯が伸展されて歯根膜腔が拡大し、歯周靭帯に沿って類骨形成による骨添加が起きる。これを利用して骨と粘膜を造成するメカニズムである。
 中でも側方牽引型矯正的組織造成法とは、その名のとおり歯を側方に移動させて組織を造成する矯正的組織造成法の1種である。歯を側方移動させると歯根の断面積の分だけ牽引側に骨が造成されるため、できるだけ歯根の断面積が大きい歯を移動に用いるのがポイントとなる。たとえば、前歯部では側切歯の先天性欠損が多いことからも、側切歯よりも断面積が大きい中切歯や犬歯を移動させたほうが造成される骨量も多くなり、インプラントを埋入しやすくなる。