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バッカルルートトルク牽引型矯正的組織造成法

【読み】
【英語】
orthodontic implant site development using buccal root torque
【書籍】
オルソインプラントセラピー
【ページ】
262

キーワード解説

 矯正的組織造成法とは、矯正力によって歯を牽引して歯根膜による骨や粘膜を牽引側に造成させる手法を指し、インプラントサイトディベロップメントとして用いられることが多い。牽引側は歯周靭帯が伸展されて歯根膜腔が拡大し、歯周靭帯に沿って類骨形成による骨添加が起きる。これを利用して骨と粘膜を造成するメカニズムである。
 中でもバッカルルートトルク牽引型矯正的組織造成法とは、垂直牽引型矯正的組織造成法の水平的造成量が獲得しづらいという欠点を補うために開発されたもので、歯根口蓋側の歯根膜の面積を利用して組織を造成する手法である。マルチブラケットを歯冠の頬側に装着することで、抵抗中心よりも頬側に位置するマルチブラケットが歯冠側方向への牽引力をもち、これが歯根側ではバッカルルートトルクとなって歯が回転し始める現象を利用している。