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B型肝炎

【読み】
びーがたかんえん
【英語】
Hepatitis B
【書籍】
ザ・クインテッセンス 2023年4月号
【ページ】
46

キーワード解説

 B型肝炎ウイルスは2本鎖DNAウイルスで、血液や体液を介して感染する。既往感染を含めたB型肝炎ウイルス感染者は全世界で約20億人とされ、このうちHBs抗原陽性の持続キャリアが2.5億人存在する。国内の持続感染者は130~150万人と推定されている。日本では、出生時の母子感染や不衛生な予防注射等でB型肝炎ウイルスの感染が広がった。1986年より開始されたB型肝炎母子感染防止事業により垂直感染は減少し、2016年よりB型肝炎ワクチンの定期接種が開始された。
 B型肝炎の治療薬としては、インターフェロン(注射薬)と核酸アナログ製剤(飲み薬)があるが、現在の治療薬ではB型肝炎ウイルスを完全に駆除することができない。ウイルスが血中から検出されなくなっても、免疫抑制剤や抗がん剤で免疫の働きが弱まると、体内のB型肝炎ウイルスが増殖し(「再活性化」という)、重症肝炎を起こすことがある。