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EPPT

【読み】
いーぴーぴーてぃー
【英語】
EPPT(Entire Papilla Preservation Technique)
【書籍】
Quintessence DENTAL Implantology 2023年No.3
【ページ】
79

キーワード解説

 EPPTは、歯周組織再生療法時に歯間乳頭を保存するためのテクニックの1つで、具体的には骨欠損上の歯間乳頭部は切り離さず、1~2歯離して垂直減張切開(縦切開)を行い、扇状にフラップを剥離して骨欠損部にアクセスする手法である。
 歯周組織を再生させるためには、創面の一時封鎖の獲得と初期の創傷の安定性が治療の鍵となる。しかし、歯間乳頭の外科的な挙上により、一時閉鎖が行われず治癒が困難になることがある。乳頭部を保存し創面の一時封鎖をするために、現在までさまざまな歯間乳頭保存術が考案されてきたが、そのなかでもEPPTは歯間乳頭全体を維持するように設計されたテクニックである。
 EPPTは骨欠損上の歯間乳頭の切開をともなわないため、歯間乳頭壊死のリスクが低いのが特徴である。その一方で、視野が制限されるため術前の骨欠損の形態の把握が重要である。適応条件としては、歯間乳頭の幅が2mm以上あり、骨欠損は小さく限局している場合が挙げられる。