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静脈穿刺

【読み】
じょうみゃくせんし
【英語】
venipuncture
【書籍】
アナトミー2
【ページ】
308、310

キーワード解説

 静脈穿刺とは、血小板血漿を得る目的で静脈に注射針を刺して採血することである。静脈穿刺を行ううえで、上肢の血管の解剖学的構造を理解する必要がある。上肢の静脈は、筋膜内で動脈と伴走する深部静脈と、筋膜外側で走行する表在静脈に分けることができる。指と手掌からの血液は、背静脈網に流れ込む。橈側皮静脈(外側)と尺側皮静脈(内側)は背静脈網から起こり、前腕正中皮静脈へ上行する。橈側皮静脈は外側を走行し、尺側皮静脈が直接つながる腋窩静脈に合流し、鎖骨下静脈および腕頭静脈として中枢方向に続いてから上大静脈に合流する。尺側皮静脈は内側にあり、上腕静脈に合流する。静脈採血に一般的に使用される肘正中皮静脈は、肘前窩の上にあり、橈側皮静脈と尺側皮静脈間の吻合部として機能する。静脈採血の主要静脈として、肘前窩(橈側皮静脈、尺側皮静脈、正中皮静脈)、前腕(尺側〔内側〕皮静脈、橈側〔外側〕皮静脈)、手背(手背静脈網)などがある。