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PSTD

【読み】:ぴーえすてぃーでぃー
【英語】:Peri-implant Soft Tissue Dehiscence/Deficiency
【書籍】: 審美インプラントの治療戦略
【ページ】:198

キーワード解説:

 Zucchelliらが考案した、インプラント唇側組織のボリュームの減少にともなう歯肉退縮の病態を4 種類に分類したもの。具体的な分類を以下に示す。
Class Ⅰ:軟組織の辺縁は審美的に正しい位置にあり(同名歯の歯肉縁の理想的な位置と同じレベル)、アバットメントやインプラントの色が粘膜をとおして透けて見え、角化組織や軟組織の厚さが不足している。
Class Ⅱ:軟組織の辺縁は、同名歯の歯肉縁の理想的な位置よりも根尖側に位置し、インプラントで支持された歯冠の唇側面は、歯肉縁のレベルで隣在歯の唇側面から結んだ仮想の曲線の内側(口蓋側)に位置する。
Class Ⅲ:軟組織の辺縁は、同名歯の歯肉縁の理想的な位置よりも根尖側に位置し、インプラントで支持された歯冠の唇側面は、歯肉縁のレベルで隣在歯の唇側面から結んだ仮想の曲線の外側(唇側)に位置する。歯冠を除去した際に、インプラントのプラットフォームが、歯肉縁のレベルで隣在歯の唇側面から結んだ仮想の曲線の内側(口蓋側)にある。
Class Ⅳ:軟組織の辺縁は、Class Ⅲと同様に、同名歯の歯肉縁の理想的な位置よりも根尖側に位置し、インプラントで支持された歯冠の唇側面は、歯肉縁のレベルで隣在歯の唇側面から結んだ仮想の曲線の外側(唇側)に位置する。インプラントのプラットフォームがその仮想線の外側(唇側)にある。
 PSTDへの対応策としては、ClassⅠ、Ⅱであれば歯肉弁歯冠側移動術やトンネリングテクニックとCTGを組み合わせて行うことでリカバリーできるが、ClassⅢ、Ⅳになると、それに加えてアバットメントを含めた補綴装置の再製も必要となり、ClassⅣではインプラントの撤去も検討する必要があるとしている。