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蛍光性

【読み】
けいこうせい
【英語】
fluorescence
【書籍】
QDT 2023年12月号
【ページ】
37

キーワード解説

 天然歯は蛍光性をもち、暗室において天然歯に紫外線ランプを当てることで容易に観察することができる。このことにより、古くから歯冠色材料には天然歯の蛍光色に似た蛍光材を配合することで蛍光性が付与されている。蛍光とはルミネッセンス効果のひとつである。物質が電磁波や電気、熱、化学反応などからエネルギーを受け取って励起され、基底状態に降りる際にその受け取ったエネルギーを特定波長の光として放出する発光現象である。天然歯はその蛍光性から、目に見えない紫外線を受けると可視光(蛍光)を発光する。象牙質(歯根も含める)は有機物含有量が高いため、エナメル質よりも3倍の蛍光性を有しており、それによりinternal luminescence(内部発光)を生みだしている。このinternal luminescenceは「バイタルエッセンス」ともよばれ、天然歯の生命力を表現するのに役立っている。