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舌乳頭

【読み】
ぜつにゅうとう
【英語】
lingual papillae
【書籍】
歯科衛生士 2023年12月号
【ページ】
48

キーワード解説

 舌乳頭とは、舌の表面にある4種類(糸状乳頭、茸状乳頭、有郭乳頭、葉状乳頭)の構造のことである。糸状乳頭は、0.5~2.5mmの長さの尖った糸状の物で、乳頭尖部が著明に角化しており、臨床的には白く見える。4種類の舌乳頭のうち、角化するのは糸状乳頭のみで、舌体の全域に存在し、舌表面をザラザラにして、食物の保持や咀嚼、嚥下に役立っている。ただし、糸状乳頭に味蕾は存在しないので、味覚機能はない。茸状乳頭は舌縁から舌尖にかけて多く存在し、糸状乳頭よりも短い球形で、臨床的には赤い点として認められる。有郭乳頭は舌乳頭のなかでもっとも大きく、分界溝の前に10個前後並んでいる。葉状乳頭は舌体の側面に左右4~5本ずつみられるヒダで、茸状乳頭、有郭乳頭、葉状乳頭には、味蕾が存在する。