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骨縁上組織接着

【読み】
こつえんじょうそしきせっちゃく
【英語】
Supracrestal tissue adhesion
【書籍】
Quintessence DENTAL Implantology 2024年2号
【ページ】
110

キーワード解説

 骨縁上組織接着(Supracrestal tissue adhesion:STAd)とは、インプラント周囲軟組織における、上皮性付着と結合組織接着の部分を合わせた長さのことである。
 健康なインプラント周囲軟組織は、唇側辺縁からインプラントまで平均3~4mmの高さがあり、インプラント周囲溝、接合上皮(約2mm)、結合組織のエリア(1~2mm)に分かれている。このようにインプラントにも天然歯と類似した骨縁上組織が存在するが、結合組織の領域に関してはセメント質・歯根膜・固有歯槽骨はない。また、歯肉線維が輪走線維しかなく、歯根膜からの血管も走行していないという点から、骨縁上組織付着(Supracrestal tissue attachment)という天然歯に用いられる用語は適切でなく、骨縁上組織「接着」という用語が提唱されている。天然歯と比べてバリア効果は弱く、炎症に対する抵抗性や組織の修復能力が劣ると推測される。