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一時的止血法

【読み】
いちじてきしけつほう
【英語】
primary hemostasis
【書籍】
必ず上達 歯科小手術
【ページ】
37、38

キーワード解説

 口腔内の小外科手術で用いられる一時的止血法には、直接圧迫止血法、間接圧迫止血法、栓塞(タンポナーデ)法がある。直接圧迫止血法は、出血部にガーゼなどを当てて直接圧迫する方法で、表層からの出血に有効である。術者の手指、もしくは患者にガーゼを噛んでもらい圧迫する。歯周包帯剤や止血シーネなどを応用する場合もこれに相当する。間接圧迫止血法は、出血部位に近い中枢側の動脈を圧迫する方法である。口唇などからの出血の場合、下顎骨上で顔面動脈を圧迫したり、出血点を探すために、より口角寄りの下唇動脈や上唇動脈を手指で挟んで止血をはかる場合がある。栓塞法は、手指で圧迫しても止血できない深部の創からの出血の際、ガーゼを固く詰め圧迫する方法で、抜歯窩などが相当する。止血されない場合、アドレナリンで湿らせたガーゼや酸化セルロースなどを挿入したり、ゼラチンスポンジなどを貼布したりし、その上から圧迫することで確実な止血をはかる。