目次
暴力的詩論
詩作手稿
市街詩手稿
落書学
犯罪的想像力─エロス的詩学への八〇〇〇字
怪人二十面相はもう踊れない
黙示録の猫
作家論I─日本文学篇
望郷幻譚─啄木
「魚服記」手稿─太宰治
歩けメロス─太宰治
個への退行を断ち切る歌稿─一首の消し方
今も、男ありけり─業平
「猟奇歌」からくり─夢野久作という疑問符
少年探偵団同窓会─乱歩
岸上大作
塚本邦雄論
作家論
歌集論1─『緑色研究』
歌集論2
作品論1─復讐の父親さがし
迷宮設計士─邦雄
迷路・毒薬・美食
手毬唄猟奇
首吊人愉快
長靴譚
手毬唄猟奇
「継子譚」の地平
顔なしわらべ唄
作家論II─外国文学篇
書物のフォークロア─ル・クレジオと語る
黙示録のスペイン─ロルカ
方法としての砂男─ホフマン
衣裳倒錯症─ジュネ
私という謎─ルッセル
父親の不在─ボルヘス
書物の映画─ボルヘス
聖鼠のエントロピー─トマス・ピンチョン
映写技師を射て─映画論
脱走者の道具の思想─『穴』
地平線の起源について─『先生』
中古背広を着た王─エリア・カザン
親父、うしろは川だよ─黒沢明
ロッコが戸を叩きつづける─ヴィスコンティ
円環的な袋小路─フェリーニ
内面の神話─ベルイマン
見ることの暴力性─ルイス・ブニュエル
書かれなかった手紙─ホアン・ブニュエル
サーカスの政治学
鏡─ダリ
鏡の鉤吊り人─ピストレット
市街魔術師─フーデニ
墜落のドラマツルギー─サーカス
サーカスの政治学─サーカス
旅役者の記録
女形の毛深さ
迷路と死海(抄)─演劇論I
観客論
ヒットラーの方がよかったか/観客にさわる試み/想像力の罠/観客の半世界/登場人物を探す観客たち/観客は教育されたがらない/観客を眠らせるのです
俳優論(抄)
俳優は代理の人間か/俳優の資本論的な考察/呪術師としての演技者/俳優術の序
劇場論(抄)
市街論の序/道化師の豚/街路から市街に向かうスパイ/七人のめくら法師を呼び出す
戯曲論(抄)
エクリチュールの辺境/戯曲の奴隷としての俳優たち/図形楽譜の鳥/折りたたみ式の無人島/造船工学技術用語
臓器交換序説(抄)─演劇論II
方法としての肉体言語(抄)
臓器交換序説/死体論/無化の影
機械仕掛の俳優のための花嫁(抄)
カントール─生身の俳優を追放せよ〔空洞/浄化/人形〕/アルトー─残酷演劇船/壁抜け男の神話学〔言語が壁の始まりである/天井棧敷の『レミング』の壁の消失/計画的に夢を見ることのできる装置/夢と神話の交換〕
市街劇による挑発(抄)
スキャンダル─市街劇の戦略/『一メートル四方一時間国家』の喩
犯罪における「観客の研究」
観客/身代金/身振り/内面化/愉快犯〕
事件としての書物
ラジオ・迷路・耳なし芳一─メディア
美術館─知の劇場
盲獣─作品に手をふれないでください/納骨堂、霊廟─そして美術館/デュシャンの紙製競馬が、忘却の機会となる/ドリオリ老人を殺したのは、美術館という制度である
図書館─書物の引力
ムードン天文台/無限の行為の総称/〈アレフ〉─完全なる書物/図書館は「場」ではない
書物─世界の隠喩
人間が書物に化ける/書物は肉声で答えない/死せる過去から生きた現在を見出す/書物は「物件」ではなく「事件」である/「テキスト」と「書物」との関係/書物としての街へ出てゆく
解説 今福龍太