目次
序章
第1章 歯科とニューロサイエンスの密接な関係
1-1.リンゴ?それともバナナ?
1-2.歯根膜求心性神経は4ビットの信号を脳に伝えている
1-3.抜髄や抜歯は脳の構造と機能を狂わせる
1-4.逆行性軸索輸送を利用した夢の歯科治療
1-5.Dr. Sessleの歯根膜バイブレーションによる歯痛抑制
1-6.精神的ストレスによる筋緊張は閉口筋に発生する
1-7.舌のすぐれた運動性
1-8.脳は偏食家-食欲は血中のブドウ糖濃度によってコントロールされている
1-9.最新のイメージング、機能的MRIの歯科的応用
1-10.歯科と脳
第2章 歯科臨床に役立つ事柄
A 口腔感覚
2-1.味覚受容の最前線-味蕾
2-2.刺激と神経インパルスの函数論
2-3.歯の部位感覚には錯覚がはたらく
2-4.摂食中枢と満腹中枢はクルマの動輪とブレーキの関係
2-5.飲水中枢は体液の塩濃度(浸透圧)を刺激として興奮する
2-6.鎮痛を説明するゲートコントロール説
2-7.歯髄に痛み以外の感覚はあるか-プレペインの話
2-8.中脳路核の歯髄ニューロンの話-はじめに
2-9.中脳路核の歯髄ニューロンの話-Chiegoらの実験
2-10.中脳路核の歯髄ニューロンの話-MarfurtとTurnerの実験
2-11.中脳路核の歯髄ニューロンの話-我々の実験方法
2-12.中脳路核の歯髄ニューロンの話-我々の実験結果
2-13.中脳路核の歯髄ニューロンの話-HRP漏洩の問題
2-14.中脳路核の歯髄ニューロンの話-5種の動物間での比較
2-15.中脳路核の歯髄ニューロンの話-機能的意義について
2-16.中脳路核の歯髄ニューロンの話-おわりに
B 運動・分泌機能
2-17.Golgbergの歯根膜・咬筋反射
2-18.歯科医の強い味方-持続性歯根膜・咬筋反射
2-19.視覚刺激から筋運動発現までの潜時の話
2-20.ヒトにおける制御系
2-21.フィードバックとフィードフォワード
2-22.咀嚼力の硬さ依存性調節
2-23.随意運動の直前に筋は弛緩する-サイレントピリオドの話
2-24.事象関連電位P300
2-25.自律神経系から例外的な待遇を受けている唾液腺
2-26.神経機能と内分泌機能をもつ視床下部ニューロン
C 口腔臓器の疾患
2-27.口腔乾燥症-いま話題のドライマウスについて
2-28.たばこと歯周病
2-29.味盲のヒトは味のわかるヒト?
2-30.食生活の変化によって増加してきた新たな味覚障害
2-31.におうのににおわない口臭、におわないのににおう口臭
2-32.歯がないのに歯が痛む現象(幻歯痛)
2-33.歯髄振盪とは
2-34.精神的ストレスでブラキシズムを行う生理的な理由
2-35.睡眠中に発生するブラキシズムについて
2-36.覚醒時に無意識に生じるブラキシズムや食いしばりについて
2-37.ブラキシズムにはスタビリゼーションタイプのスプリントがおすすめ
2-38.オーラルジスキネジア
第3章 摂食行動と脳
3-1.リンゴを見ているのはどこ?
3-2.リンゴを見るには-パート1
3-3.リンゴを見るには-パート2
3-4.リンゴを見るには-パート3
3-5.摂食行動の選択からプログラムまで
3-6.リンゴを口にするまで
3-7.記憶は咀嚼に必要か?
第4章 ニューロサイエンスの基礎
A 脳機能の特徴
4-1.言語機能
4-2.言語機能と利き手
4-3.知識や経験の影響-パート1
4-4.知識や経験の影響-パート2
4-5.可塑性と臨界期
4-6.クチは特別
4-7.クチの脳は特別
4-8.食べて頭をよくする方法
4-9.脳は窓付きの防護服で守られている-血液脳関門と脳室周囲器官
4-10.小脳皮質の特徴的な神経回路
4-11.小脳皮質は学習ロボット
B ニューロンの細胞学的基礎
4-12.神経系とニューロン
4-13.中枢神経と末梢神経
4-14.おいしさを分析する中枢ニューロン-大脳皮質の体部位局在と機能局在
4-15.咬筋を収縮させる運動ニューロン
4-16.歯の痛みを伝える感覚ニューロン
4-17.唾液を分泌させる自律神経ニューロン
4-18.ニューロンの遺伝子発現
4-19.ニューロンの形態と機能を支える線維状タンパク質群-細胞骨格
4-20.咬筋運動ニューロンの情報シグナル伝達-ニューロンの興奮と活動電位の伝播
4-21.咬筋運動ニューロン細胞膜のイオンの透過-イオンチャンネル
4-22.咬筋運動ニューロンの情報受け渡し部位-シナプス
4-23.咬筋運動ニューロンと咬筋との情報伝達シグナル-神経伝達物質とその放出
4-24.咬筋運動ニューロンの神経伝達物質の受け取り-レセプター
C 軸索輸送
4-25.咬筋運動ニューロン軸索のアセチルコリン合成酵素の運搬-順行性軸索輸送
4-26.咬筋運動ニューロン軸索の栄養因子ニューロトロフィンの運搬-逆行性軸索輸送
4-27.逆行性輸送されたNGFが単純ヘルペスの再発を阻止-軸索輸送と病気との関わり
D 記憶‐記憶保持の基本的メカニズム
4-28.短期記憶と長期記憶
4-29.記憶とシナプスの可塑性
4-30.記憶の電気生理学的現象-テタヌス後増強・長期増強・長期抑圧
4-31.記憶とタンパク質のリン酸化
E グリア細胞の働き
4-32.ニューロンの活動を支えるグリア細胞
4-33.グリア・ニューロン回路網
F 脳の発達・成長および栄養
4-34.ニューロンの分裂と成長-DNA、コレステロールの増加
4-35.ニューロンの突起の成熟とシナプスの増加
4-36.ニューロンのエネルギー代謝
4-37.胎児期から幼児期の脳の栄養
G ニューロンの死
4-38.胎児期のニューロンの淘汰-アポトーシスという細胞死
4-39.アルツハイマー病-βアミロイドがアポトーシスを亢進させる
4-30.パーキンソン病パーキンソン病-いろいろな因子が黒質ニューロンのアポトーシス系を亢進
4-41.老化の原因説と脳の老化
H ニューロンの再生医療
4-32.幹細胞からドーパミン作動性ニューロンへの分化誘導
索 引
著者略歴