目次
序
日本語版への序
原著者一覧
訳者一覧
「TextbookofEndodontology」の日本語訳発刊に寄せて
Part 1 歯内療法の基礎1
第1章 歯内療法入門
歯内療法学
知(Episteme)/テクネ(Techne)/賢慮(Phronesis)/歯内療法学の概念
近代的歯内療法の夜明け
歯内療法の目標
臨床的諸問題と解決策
生活歯髄/壊死歯髄/根管充填歯
診断上のジレンマ
治療機器
結論
第2章 歯髄・根尖性歯周組織疾患の診断
緒言
診断に必要な情報の評価
診断精度/ROC分析(receiver operating characteristics analysis)
診断方法
歯髄・根尖歯周組織の炎症の臨床所見
診断に必要な情報の収集
歯痛の評価/歯髄生活反応の評価/根尖部X線写真の評価
臨床的分類
健全歯髄(Pulpa sana)/歯髄炎(Pulpitis)/歯髄壊死(Necrosis pulpae)/慢性・急性根尖性歯周炎(Periodontitis apicalis chronica/acuta)
Part2 生活歯髄
第3章 象牙質-歯髄複合体:傷害性因子に対する反応
緒言
象牙質-歯髄複合体の基本的機能
象牙質と象牙細管/原生象牙芽細胞/新生象牙芽細胞/神経/血管供給/リンパ管/免疫系細
基本的メインテナンス
血流/局所制御/遠隔制御
非破壊的刺激に対する健全歯髄の適切な反応
間欠的および持続的な刺激の効果
修復操作/象牙細管内容液の潜在的保護作用/血流変化/炎症性細胞の遊走
潜在的に組織破壊を生じる刺激の影響
う蝕/歯科治療/歯の外傷
第4章 象牙質と歯髄の痛み
緒言
神経線維の分類
歯髄内の感覚神経支配の形態学
正常下での歯髄感覚神経の機能
象牙質の感覚:歯髄A線維活動の動水力学的機構
組織の傷害と炎症による歯髄内神経の応答
炎症歯の痛み応答に影響を与える末梢神経の変化/神経原性血管拡張と炎症/炎症のメディエーター/炎症時における歯髄神経の形態的変化と機能的変化
歯髄侵害受容器の局所でのコントロール
象牙質知覚過敏症
中枢神経機構
痛みの症状と歯髄診断
第5章 痛みの学際的性質
緒言
痛みの体験に影響する心理学的要因
感情的要因/認知的要因/環境的要因/社会的・文化的要因
性と痛み
痛み制御の心理学的アプローチ
治療戦略
症例研究
コメント
第6章 有髄歯の歯内療法
緒言
臨床的概要
治療法の選択
治療法の選択に影響する因子
歯髄の術前状態の評価
直接覆髄法/部分断髄法による露出歯髄への対応
目的/歴史的背景/成功への重要な因子/覆髄剤および治癒形式/術後のリコール
抜髄法
目的/規範となる治療手順/抜髄後の暫間および最終根管充填/抜髄後の創傷治癒
応急処置
痛みのある歯髄炎/外傷やう蝕による露髄(痛みのない歯)/治療期間中あるいは治療後の突発事態
症例研究
毒性の高い歯内療法用薬剤使用後の後遺症
第7章 乳歯における歯内療法
緒言
正常歯髄
歯髄炎
治癒/診断
薬剤-作用の特徴と様式
水酸化カルシウム/ホルムクレゾール/グルタールアルデヒド/コルチコステロイド/酸化亜鉛-ユージノールセメント/硫酸第二鉄
歯髄処置の目的
術式
適応と臨床的成功/術式と重要なポイント
乳歯の歯髄処置の適応症と禁忌症
今後の方向性
謝辞
症例研究1
5歳児における段階的剔削
症例研究2
5歳児におけるFC断髄
Part3 壊死歯髄
第8章 壊死歯髄における細菌学
歴史的背景
歯内疾患における微生物の重要な役割
実験動物を用いた研究/ヒトにおける研究
根管内への微生物の侵入
う蝕/外傷/歯周疾患/アナコレーシス/結論
感染根管における微生物の局在
根管内微生物叢の研究方法
根管からのサンプリング/顕微鏡検査と培養/同定方法
根管内微生物の構成
壊死歯髄内の口腔細菌/壊死歯髄内の口腔真菌/壊死歯髄内の口腔外由来細菌
壊死歯髄と根管の生態学
根管への細菌の定着/根管内微生物叢への栄養供給/微生物間の共生と拮抗
根管内微生物の病原性
日和見感染源/ビルレンスファクター
特定細菌と臨床症状との関連
結論
第9章 根尖性歯周炎
緒言
病因
感染性微生物の特徴
組織応答と応答様式
初期段階/上皮の増殖/歯根嚢胞/根尖膿瘍/骨髄炎/硬化性骨炎
疫学
症例研究1
症例研究2
症例研究3
第10章 歯内疾患由来の感染が全身に及ぼす影響
緒言
病巣感染の原発巣としての急性根尖性歯周炎
血液循環による口腔微生物の拡散/予防的処置
転移性感染の原因としての慢性根尖性歯周炎
慢性歯性感染症の全身への影響
第11章 感染根管の治療法
緒言
目的と一般的な治療法
歴史的観点
根管治療における通常の手順の概要
髄腔開拡/無菌法/機械的清掃/洗浄と化学的消毒/根管貼薬/次回来院時までの封鎖-仮封/根管充填/リコール
難症例に対する考察
根管内の細菌叢に対する根管治療の影響
症状のある病変の治療
根管治療前に疼痛を伴う症例/治療後の痛みのマネージメント-歯内療法後のフレアアップ/結論
Part4 根管充填歯
第12章 補綴修復と根管充填歯
緒言
支台歯としての根管充填歯に関する問題点
保持力の喪失/保持力に影響する因子/破折/穿孔/再感染/細菌漏洩
築造の種類
ポストのない築造/ポストコアシステム
築造用材料
アマルガム/コンポジットレジン/セラミックス/セメント
ポストシステムと材料
ポストシステム:シリンダー状,テーパー状,ネジ状/ポスト用材料/ポスト孔の形成法
補綴学的修復
単一歯/形成の原則/帯環デザイン
第13章 根尖部からの漏洩と歯冠側からの漏洩
根尖部からの漏洩
歯冠側からの漏洩
根管治療期間中における歯冠側からの漏洩/根管治療後の歯冠側からの漏洩
漏洩に関する研究
結論
第14章 再歯内療法に影響する要因
歯内療法の治療成績
治療成績に影響を及ぼす因子
術前因子/術中因子/術後因子
歯内療法“失敗”の流行
歯内療法後の根尖病変管理の多様性
臨床上の意思決定:記述的構案
再根管治療の意思決定:標準的アプローチ
意思決定問題の構造/選択1:すぐに決定/経過観察/選択2:治療/不治療/選択3:非外科的/外科的再治療
結論
Part5 臨床技法
第15章 X線診査
緒言
歯内療法のためのX線診査術式
基本的要件/画像撮影法/二等分法か平行法か/作業長の決定/偏心投影/X線写真の利点と限界
歯髄壊死の継発症に対するX線写真診断
根尖性歯周組織疾患のX線写真像/鑑別診断
X線写真から得られる根管治療に必須の情報
歯の解剖学/すでに行われている根管処置/偶発事故/根管充填後の管理(照査)
症例研究1
根尖性歯周炎による歯根吸収
症例研究2
根尖病変の鑑別診断
症例研究3
根管充填材の下顎管への押し込み
症例研究4
偏心位X線撮影画像の有用性
第16章 根管の拡大と形成
緒言
処置の複雑性
根管の湾曲/断面形態/根管数/根管の狭窄と閉塞/根尖部の形状
基本的手技
アクセス形成/根管形成
根管形成用器具
合金/先端部の形状/器具の形状/根管形成中の手用器具の動かし方/根管形成用器具の特性
根管形成の基本的概念
ステップダウン法/作業長の決定法/フレアー形成/根尖部の形成/根管形成の仕上げ
診療支援機器
手術用実体顕微鏡
根管形成中の偶発事故
穿孔/レッジ形成/破折器具
結論
第17章 根管充填材
緒言
目的/分類/限界/選択
必要条件
理工学的特性/生物学的特性/操作性
生体適合性
漏洩/封鎖
ガッタパーチャポイント
組成/理工学的特性/漏洩/生物学的特性/操作性
シーラー
酸化亜鉛ユージノール系シーラー/ポリケトン系シーラー/エポキシレジン系シーラー/グラスアイオノマーセメント系シーラー/水酸化カルシウム系シーラー/理工学的特性/漏洩/生物学的特性
逆根管充填と再植のための材料
組成/理工学的特性/漏洩/生物学的特性/操作性
下顎神経損傷
第18章 根管充填法
緒言
目的
根管充填材の選択
ガッタパーチャのための根管充填法
ガッタパーチャポイント/根管充填用シーラー
ガッタパーチャとシーラーを用いた根管充填法
ポイント充填法/軟化ガッタパーチャ法
根管充填前の処置
スミヤー層の除去/根管乾燥/シーラーの塗布
根管充填の質の評価
髄室の充填と歯冠修復
結論とアドバイス
第19章 非外科的再治療
緒言
適応症
根管へのアクセス
クラウンとブリッジの除去/コアとポストの除去
根尖部へのアクセス
ガッタパーチャの除去/シーラー,セメントおよび糊剤の除去/銀ポイントの除去/破折器具の除去
根管の器具操作
根管の再形成/根尖部の障害物/レッジ/未発見根管/穿孔部の修復
抗菌処置
根管充填歯の細菌叢/再治療における抗菌戦略
予防的再治療
予後
第20章 外科的再治療
緒言
処置内容の概要
局所麻酔/フラップ剥離/骨の除去/軟組織病変の掻爬/根尖の切除/根尖部の窩洞形成/逆根管充填/フラップの閉鎖と縫合
外科処置後のペインコントロール
骨性治癒
予後
症例研究
歯内療法の第一選択としての外科的処置
索引