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  • 「ずっと元気」をかなえる歯科患者学
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    「ずっと元気」をかなえる歯科患者学

    知りたいこと あなたにかわって歯医者さんに聞きました
    著者: [著] 高橋英登 [著] 高見澤たか子
    A5判 / 208ページ / 2021-05-10 発売
    ISBNコード:978-4-7812-0808-4
    定価 4,180円(本体 3,800円+税10%)
    クイントコード:17760
    モリタコード:208040777
    • チラシの価格表記は発行当時のものです。
    患者さんに知ってほしいことを伝えます。患者さんが知りたいことに答えます。
    ノンフィクション作家と歯科医師との対話を通して、口腔ケアの大切さを患者さんに訴える。口腔ケアの正しい知識と方法を患者さんが身につければ、大きな病気を防ぐことができ、健康寿命を伸ばすことができる。歯科医院側は、患者さんの不安や疑問を知り、患者さんとの信頼関係を作っていくコミュニケーションアイテムのひとつとしてご活用できる書籍。待合室に置きたい1冊であり、歯科医療関係者の新人に読んでもらいたい書籍。

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評者:大久保満男(静岡県・歯科大久保医院)

 本書は,歯科医療確立にご尽力されている日歯連盟会長の高橋英登先生とノンフィクション作家としてご活躍の高見澤たか子さんの共同作業で刊行された.予防から治療までを広く記述し,現在の歯科医療像と未来への道を的確な輪郭線で表した内容で,これが「患者学」という本書の題名の意味を明示している.
 本書のなかで印象に残る記述を選んで述べてみたい.それは第二章の「歯磨き習慣は自立への一歩」という言葉である.この項目を評者の責任で要約すると,子どものう蝕が減るなかで,「虫歯と無縁の幸せな子ども時代を過ごしたら,一生それは続くのか」と問うた後,「ここに落とし穴が待っている.それは大人になって一人暮らしを始めると,生活の乱れから口の中に病気が起きてしまうからだ」としている.つまりう蝕と無縁だったのは親の保護の結果で,この人は本当に自立していたのか,と重要な課題を提示する.
 何故これが重要なのか.私事で恐縮だが,昭和40年代の初めに当時新興の小児歯科を評者が学び始めた時,3歳児のう蝕罹患率は98%を超え,なんと子どもに総義歯を作り,さらに8か月も待たねば受診できないという最悪の状況だった.そこで評者は,治療を待つ子どもたちのために日本で最初の組織的な「虫歯予防教室」を開催した.このなかで評者が考え続けたのは,育児の意味と意義についてだ.育児とは単に子どもの世話をすることだけではない.私たちは「ヒト」として生まれ,さまざまな学びにより「人間」という存在になっていく.育児とは,この過程の最初の段階で,子どもたちに愛情をもってさまざまな経験を与えてヒトが人間になるための学びの機会を作ることなのだ.
 本書はそれを「歯磨き習慣は自立への一歩」という的確なタイトルで示している.歯磨き習慣は単に磨き方を教えることではなく,自分のことは自分でするという「自立の精神」を学ばせる最初の機会なのだ.
 評者は,「ヒト」が「人間」になるためには二つの「じりつ」つまり「自立」と「自律」が必要だと思っている.かつて,哲学者はそれを「ホモ・ペルセ」(自らの上に立つヒト)と定義し,福沢諭吉は「一身独立」と言った.
 本書で示されたように,歯科医療の目的は最後まで自分の口で食べられるように人生を支えることだ.しかし,それは自分のためだけではない.鴨長明は「方丈記」で,飢餓の京都の光景を「さりがたき妻,をとこ持ちたる者は,その思いまさりて深き者,必ず先立ちて死ぬ」と書いた.飢餓のなかでは愛情の深い者が必ず先に死ぬ.何故なら,食べ物をまれに手に入れても自分は食べず,大切な相手に与えるからだと.
 歯科医師がいつも向き合う「口と食」は,このような深い意味をもつ「場とその営み」なのだと思う.
 本書は読者に歯科医療と口の大切さを教えてくれるだけでなく,その考えを深める大切な役割を果たすことになるだろう.

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