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頬筋・口輪筋複合体の下方のバンドと下唇下部の溝

【読み】
きょうきん・こうりんきんふくごうたいのかほうのばんどとかしんかぶのみぞ
【英語】
Buccinator lower band, Sublabial furrow
【書籍】
臨床家のための矯正YEAR BOOK’07

キーワード解説

ヒトの進化にともなう口元の後退は表情筋の緊張と発達に深くかかわっており、歯、歯槽骨は歯列内・外側の筋圧のバランス(ニュートラルゾーン)に位置するように後退したと考えられる。Frederick S は頬筋・口輪筋複合体の下方のバンド(buccinator lower bandと略称)に着目し、このバンドはオトガイ筋と連動して下顎前歯および歯槽骨を拘束する力が強く、歯の位置に重大な影響を与えているとし、この筋肉群を“Buccinator strap”と称した。この筋肉群が強いと下唇下部に溝状のリップカール(furrow)ができ、皮膚に鉛筆で描いたような横走するラインが見られることがある。これを下唇下部の溝(Sublabial furrow)という。Frederick S のこのような考え方をGugino C F は矯正診断に取り入れ、またDawson P は補綴的な立場から、歯のニュートラルゾーンに影響を与える因子として重視している。