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象牙質知覚過敏抑制剤

【読み】
ぞうげしつちかくかびんよくせいざい
【英語】
anti dentin hyper sensitive drugs
【書籍】
ザ・クインテッセンス 2010年8月号
【ページ】
142

キーワード解説

象牙質知覚過敏症の発症メカニズムとしてはいくつかの仮説が提唱されているが、露出した象牙質に加えられた刺激によって象牙細管内組織液の移動が生じ、象牙芽細胞下神経叢に外来刺激が伝達され、鋭い一過性の痛みが生じるという動水力学説がもっとも有力である。さらに吉山昌宏氏らの一連の研究結果から、知覚過敏を訴える象牙質露出面では75%の象牙細管が開口し、その開口象牙細管内部に模様構造物が存在することが示されている。このような発症メカニズムから考えて、レジン系・グラスアイオノマー系知覚過敏抑制材の除痛メカニズムとしては、
1.開口象牙細管の封鎖
2.象牙細管内浸透による組織液移動の抑制
3.露出象牙質での樹脂含浸層の形成
4.硬く均一な被膜層の形成
があげられる。
 現在主流となっているこのレジン系・グラスアイオノマー系知覚過敏抑制材には以下のものがある。
MSコートONE(サンメディカル)
シールドフォース(トクヤマデンタル)
フジフィルLCフロー(ジーシー)
クリンプロXTバーニシュ(3M ESPE)
ハイブリッドコートII(サンメディカル)
グルーマディセンシタイザー(ヘレウス・クルツァー)