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スーパーインフェクション

【読み】
すーぱーいんふぇくしょん
【英語】
superinfection
【書籍】
ザ・クインテッセンス 2011年2月号
【ページ】
165

キーワード解説

スーパーインフェクションとは、ある微生物による感染が原因で局所環境が変化することで別の微生物の感染を誘発することをいう。たとえばライノウイルスなどのウイルスが原因で鼻炎や副鼻腔炎を起こした後に細菌性の鼻炎や副鼻腔炎になることがあるが、これはウイルスにより鼻腔や副鼻腔の上皮が破壊、損傷を受けた結果、常在菌が内因性感染を起こしたからである。しかし、このスーパーインフェクションという言葉はいろいろな意味で使われていて混乱している。ウイルス学では2種類のウイルスが1つの細胞に感染する、いわゆる重複感染のことをスーパーインフェクションと呼ぶが、抗菌療法などで感受性のある細菌が減少し、その結果別の細菌が勢力をもって感染が成立することをスーパーインフェクションということもある。難治性の歯周炎に対して抗菌療法をしていて、歯肉縁下にいた少数の腸球菌や緑膿菌、ブドウ球菌などが感染を起こすという報告もある。