上顎神経
- 【読み】
- じょうがくしんけい
- 【英語】
- maxillary nerve
- 【書籍】
- ビジュアル歯科臨床解剖
- 【ページ】
- 14
キーワード解説
上顎神経は、正円孔を出た直後に翼口蓋窩にある翼口蓋神経節に枝を出す。翼口蓋神経節で自律神経を受け、その後、大・小口蓋神経を下方に出し、これが上顎口蓋側歯肉、硬口蓋や軟口蓋粘膜に分布する。顎動脈から分枝した下行口蓋動脈も同様の経路をたどり、大・小口蓋動脈となる。また、上顎洞後壁から上顎神経後上歯槽枝が侵入し、上顎洞や上顎大臼歯の知覚を支配する。上顎神経本幹は眼窩下管内に入り、眼窩下神経と名前を変え、前方に進み、眼窩下孔から顔面表層へと出ていく。眼窩下管内の途中で中上歯槽枝、眼窩下孔を出る直前に前上歯槽枝を出し、これらが上顎の前・小臼歯を支配することは上顎の局所麻酔を考えるうえで非常に重要である。