キーワード
キーワード解説:
咀嚼障害は、その原因から器質性咀嚼障害と運動障害性咀嚼障害に分けることができる。器質性咀嚼障害とは、歯をはじめとする咀嚼器官の欠損によって起こる咀嚼障害である。一方、たとえ天然歯によって臼歯部の咬合が保たれていても、義歯の適合が良くても、咀嚼が困難な場合がある。咀嚼に必要な口腔諸器官の運動が困難である場合には、咀嚼は困難で、これを運動障害性咀嚼障害と呼んでいる。運動障害性咀嚼障害は、下顎や舌、口唇、頬、軟口蓋など咀嚼器官の運動障害、さらには、高次脳機能障害により咀嚼運動の制御が困難な場合によって起こる咀嚼障害であり、加齢や脳血管疾患や神経筋疾患などによって起こる。超高齢社会において、この運動障害性咀嚼障害への対応が重要な課題となっている。