2024年4月14日掲載

約120名が参集し、各務 肇氏の臨床ノウハウを傾聴する

日本一般臨床医矯正研究会、第43回総会学術大会を開催

日本一般臨床医矯正研究会、第43回総会学術大会を開催
 さる4月14日(日)、建築会館(東京都)において、日本一般臨床医矯正研究会第43回総会学術大会(日本一般臨床医矯正研究会主催、勝沼 稔会長)が開催され、同会会員を中心に約120名が参集した。メインテーマ「予防矯正(その3)」のもと、各務 肇氏(同会顧問、東京都開業)らが講演した。

 勝沼氏(埼玉県開業)の開会のあいさつ後、各務氏が登壇。「治療行程をスムースに早くするための各所でのポイント(その1)―見逃している会員が多い―」の題で講演した。

 氏は、過去の学術大会や主催する講習会で、みずからの矯正治療のノウハウを後進に伝えるべく精力的に活動している。指導内容は多岐にわたるが、本講演では、「反対咬合の治療」にしぼって解説がなされた。「反対咬合があったら、叢生やスペースの問題を治す前に、まず反対咬合を治しなさい」「3歳までは矯正装置は使用してはいけない。情緒的な脳の発育を阻害させる可能性がある」など、「何をすべきか、すべきでないか」を端的に示し、ときにはホワイトボードに図を描きながら熱弁した。

 続いて、「こども園との活動で経験し見えてきたこと~口腔育成指導へのブリッジング~」の題で池田靖子氏(長崎県勤務)が講演。氏が担当する、長崎市の複数の子ども園では、「過蓋咬合や反対咬合の子どもが驚くほど少ない(それぞれの園で、卒園児の1~2名ほど)」。それを不思議に思った氏が、なぜそうなのか、各園が実施している取り組みを分析した。

 氏によると、それらの子ども園では、専門家が介入したり、特に歯科的なことを意識して行っているわけではない。子どもたちに「とことん遊んで、たっぷり食べて、ぐっすり眠る」ようにさせているのだという。たとえば、金魚、だるま、かめ、仔馬のポーズの体操、ぞうきんがけや階段のぼりなどのアクティビティ、手づかみ食べの食事、規則正しいお昼寝時間である。氏は、いろいろな活動を通じ体幹が育つことで、口腔の健全な発達につながるのではと分析した。
 
 その後は、野田和裕氏(愛知県開業)、関根陽平氏(東京都開業)による会員発表が行われた。それぞれ、Angle Class IIのディープバイトの成人への矯正治療の症例、プロスポーツ選手への矯正治療と競技サポートの実例を供覧した。

 なお、プログラムにはなかったものの、昼休憩の時間には、会場入り口前のスペースにて各務氏が2名の患者の治療をライブ実演。氏の手腕をできるだけ近くで見ようと、数十名が人だかりを成した。

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