文字サイズ: 小 標準 大 特大
パスワードを忘れてしまった場合 会員登録はこちら
  • 臨床家のための矯正 YEARBOOK 2021
    この本の書評を読む

    臨床家のための矯正 YEARBOOK 2021

    成長期の叢生を考える
    A4判 / 186ページ / 2021-11-10 発売
    ISBNコード:978-4-7812-0835-0
    定価 6,600円(本体 6,000円+税10%)
    クイントコード:18040
    モリタコード:208040811
    成長期の叢生の臨床コンセプトと関連製品の特性がわかる
    2021年の特集は「成長期の叢生」をとりあげ、2部構成でケースを掲載。【第Ⅰ部】では9スタディグループが成長期の叢生に対し長期アプローチした方法を提示。【第Ⅱ部】は関連企業協力のもと、各社製品の特長や臨床例を紹介。巻頭トピックスでは黒田敬之先生による「根拠に基づく矯正治療:根拠とは?」、特別企画では亀田晃先生による「矯正歯科治療とそれによって引き起こされる歯根吸収についての文献的考察」など明日の臨床に役立つ情報が満載。

【本誌のご注文方法】


お問い合わせ」より、【お名前・郵便番号・ご住所・電話番号】をご入力いただき、【雑誌名・年号数・冊数】を明記の上お申し込みください。
代引き(送料一律660円)にてお送りいたします。

【オンデマンド版について】


1.オンデマンド版とは

弊社ホームページ会員様向け限定のサービスです。
絶版の書籍で、お客様からのご要望が多いものをオンデマンド印刷で製作いたします。
これによって、これまで重版・復刊できなかった書籍がお求めいただけるようになりました。


2.ご注文にあたっての注意

・ご要望を受け製作いたしますので、注文後のキャンセル及び返品はできません。
・品質的に従来の書籍とは異なる場合がございます。
・製品の性質上インターネットによる販売(クレジットカード or 代引き)に限定させていただきます。


【オンデマンド版希望カウンターとは?】


このサービスは、会員様限定のサービスとなります。
このたび、絶版となった書籍をオンデマンド版という形で、お客様にご提供するサービスを開始いたしました。オンデマンド版希望カウンターとは、お客様のニーズをお知らせいただき、小社にて次のオンデマンド版作成に向けての参考にさせていただくものです。

お客様がカウントアップされた書籍の販売が開始されますと、ご登録メールアドレスへ「販売開始お知らせ」メールをお送りいたします。ぜひこの機会にご利用くださいませ。

※・これはご予約ではなく、また購入を確約していただくものではありません。
 ・諸事情により、オンデマンド版作成ができない場合もありますので、ご了承ください。


【オンデマンド版について】

1.オンデマンド版とは

出版社が在庫を持たず、お客様からのご注文のつどに制作をする出版のことです。これによって、これまである程度の需要がなければ重版・復刊できなかった絶版本が、お求めいただけるようになりました。


2.ご注文にあたっての注意

通常の書籍とは異なりますので、以下のことにご注意ください。

・完全受注生産ですので、発注後のキャンセルはできません。

・品質的に従来の書籍とは異なる場合がございます。

・製品の性質上インターネットによる販売に限定させていただきます。

評者:加治彰彦(東京都・半蔵門ファミリア矯正歯科医院)

 叢生は多くの現代人に認められ,審美的改善やう蝕・歯周病予防などを期待して矯正治療を求める患者は多い.とくに近年では,保護者の子どもへの歯並びに対する関心の高まりのためか,子どもが有する叢生を心配して相談を希望する保護者が増加しているようだ.そのような相談に応えるべく,いわゆる早期治療として拡大装置などを使用して歯列(顎)の拡大を手がける歯科医師が多く見受けられる.早期に歯列(顎)の拡大を試みる歯科医師の中には,将来的に抜歯による矯正治療を回避することを期待する者もいる.
 一方,早期の段階でのアプローチに懐疑的な歯科医師もいる.このような現状があるためか「数軒の歯科医院に矯正相談に行ったが,それぞれの先生から違うことを言われ,どうしたらよいかわからなくなった」と戸惑っている保護者に遭遇することがある.早期治療での叢生への対応の違いが生じる理由は,叢生のみならず上顎前突や反対咬合への対応についても言えることであるが,未だそれら不正咬合に対応する治療指針の拠り所となる確固たるエビデンスがないためである.
 巻頭トピックスにおいて,東京医科歯科大学名誉教授の黒田敬之氏が述べられているように,現状ではわれわれ歯科医師は矯正臨床において,診断,治療方針,治療術式の科学的根拠を探ることなく,経験豊富で,腕の立つ上手な先達の指導・助言に従って治療を進めているのであろう.
 第Ⅰ部では著名なスタディーグループで活躍されている先生がたが症例を提示し,その先生がたの矯正治療における理念を述べるスタイルをとっている.先生がたの症例は周到な診断・治療計画のもと,良好な治療結果が得られており,学ぶべきものが多い.しかしながら,それぞれのスタディーグループ間での症例に対するアプローチの仕方は異なっており,成長期の早い段階で治療介入を試みるグループもあれば,そうでないグループもある. また, 抜歯・非抜歯に対する考え方も異なっているようだ.このように各グループ間で治療理念や手法に違いがあることは,叢生治療に対するエビデンスが確立されていないことを示したものと言える.われわれ読者は,紹介されているスタディーグループのなかから共感する治療理念や手法に従って(模倣して)臨床を進めてゆくことは可能であろう.しかしながら,冒頭で紹介した矯正相談での歯科医師間の見解の違いに戸惑う保護者を極力つくり出さないためには,各臨床手法の治療成績のデータの蓄積・比較検討を行い,エビデンスに基づいたコンセンサスを確立する必要がある.そのプロセスは容易ではなく,時間もかかるだろうが,未来の子どもたちのために,われわれはより積極的に取り組む必要がある.
 本書はタイトル通り「成長期の叢生を考える」ための良い機会となるとともに,「矯正臨床のエビデンスとは何か」についても考えさせられる好機となるであろう.

この商品を買った人はこんな商品もチェックしています

閲覧履歴

  • 商品数:0点
  • 合計:¥0

新刊のご案内

人気TOP10

    ※歯学書.COMでの過去30日分の販売冊数ランキング(自動更新)

    ピックアップ

    ピックアップ
    QRコード
    スマートフォン版はこちらから