Quint Dental Gate 歯科のコミュニケーションサイト

文字サイズ
標準
特大

トピックス


2013年11月10日

「第1回JDA技工学術講演会 総義歯創りを成功させる8ステップ」開催

ログインされますと、関連書籍が表示されます。
会員でない方はこちら
(※関連書籍がないトピックスは表示されません)

 さる11月10日(日)、ベルサール八重洲(東京都)において「第1回JDA技工学術講演会 総義歯創りを成功させる8ステップ」(須藤哲也大会長)が開催された。本講演会は、スタディグループJDA(Japan Denture Association、阿部二郎代表)に所属する歯科技工士ら8名によって企画されたもの。かねてから、歯科医師と歯科技工士が共同で「下顎総義歯吸着理論」に関する講演活動を続けてきたJDAメンバーであるが、今回のように歯科技工士による、歯科技工士のためのオープン講演会は初の試み。また、延べ6時間、8演題で総義歯製作のすべての工程をカバーするという意欲的なプログラムもあいまってか、会場には日本全国から250名あまりが参集した。演題および演者は以下のとおり。

(Step1:個人トレー)「総義歯の吸着を成功させる個人トレーの外形と考え方」(須藤氏、Defy)
(Step2:模型診断)「模型診断からコミュニケーションに活かす」(野澤康二氏、シンワ歯研)
(Step3:咬合採得)「規格模型とセントリックトレーで調整の少ない蝋堤を目指す」(小林貞則氏、ウィルデンタルラボ)
(Step4:基礎床の適合):「BPSで臨床が変わる 義歯を成功させるには基礎床の適合が必要不可欠」(亀遊宏直氏、キユウ・デンタル・スタジオ)
(Step5:ゴシックアーチ)「ゴシックアーチを考える」(佐野和也氏、サヤカ)
(Step6:排列)「人工歯排列のポイント Ivoclar Vivadent & Vita」(小田垣 亨氏、金沢歯科技研)
(Step7:歯肉形成)「総義歯の研磨面形態がもたらす口腔機能の回復への追求」(森永 純氏、ライズ・デンタルコミュニティー)
(Step8:重合)「適合精度とEsthetic Dentureによる審美の追求」(岩城謙二氏、IDTデンタルラボラトリー)

 いずれの演題も上述の下顎総義歯吸着理論をベースにしつつ、それぞれの演者が基本的な手技を深く考察し、患者満足度を向上させるための工夫を凝らしている点が見てとれた。超高齢時代を迎え、今後数十年は高い需要が続くであろう総義歯補綴。そのためには総義歯技工への深い知識をもった歯科技工士が数多く登場することが望まれるが、本講演会に参加していた歯科技工士らの表情は一様に真剣そのもので、総義歯治療の将来を感じさせるものとなっていた。