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2015年3月15日

「第1回歯内療法症例検討会セミナー/第6回歯内療法症例検討会」開催

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 さる3月15日(日)、東京医科歯科大学特別講堂(東京都)において、「第1回歯内療法症例検討会セミナー/第6回歯内療法症例検討会」(株式会社Toppy主催、吉岡デンタルオフィス)が約160名の参加者を集めて行われた。

 歯内療法症例検討会は、吉岡隆知氏(東京都開業)が中心となり、同大学内で以前より定期的に行われてきたもの。歯内療法症例をさまざまな角度からディスカッションして日常臨床のヒントを得ること、また治療へのモチベーションを維持することを主目的に開催されているという。

 今回は午前中に歯内療法の基礎・基本を学びたい歯科医師に向けて初めての試みとなるセミナーが併催され、「根管治療の押えどころ~マイクロ、Ni-Ti、CBCT…その前に~」をテーマに、以下の演題・演者で講演が行われた。
「序論・カリエス除去・隔壁作製・ラバーダム防湿」(須藤 享氏、宮城県開業)
「髄腔開拡・根管上部形成」(吉岡俊彦氏、広島県開業)
「穿孔・ファイル破折」(辺見浩一氏、東京都勤務)
 とくに須藤氏、吉岡氏の講演では、根管治療の基本操作の細かな着目点、注意点が詳細に語られ、治療そのものの重要とともに、根尖にアプローチする前の環境整備の重要性が示唆された。

 午後は「根管内器具破折」をテーマに症例検討会が行われ、13名の演者がさまざまな破折ファイル症例を提示した。各講演を総括した吉岡隆知氏は、根管内でファイルが破折したり、あるいはこれを発見した際は、(1)まず患者に冷静にそれを説明すること、(2)除去できるものは除去すべきであるが、そのリスクを十分に考えるべきこと、(3)除去しない場合は確実な根管充填を行うべきこと、の3点が重要だとした。

 最新の器材や難症例の治療が俎上に載ることが多い印象のある近年の歯内療法分野において、臨床の基礎や日々の悩みを率直にディスカッションできる本会は、とくに若手歯科医師にとっては格好の勉強の場であると思われた。