2015年3月21日掲載
5Sを基本にした組織づくりの方法を学ぶ
(株)デンタルタイアップ、「チームで取り組む歯科医院の5Sセミナー」を開催

5Sの概念は、製造業・サービス業などでは職場環境の維持改善に広く用いられているが、一般の歯科医院には導入されていないところも多い。5Sは単なる「整理整頓」ではなく、組織を効率化させる仕組みであり、収益の増加や作業時間の短縮、およびそれにともなう患者満足度の上昇が見込まれるという。
セミナー1日目は、5Sに取り組むために必要な前提知識や理論が、デンタルタイアップのスタッフにより解説された。まず、代表取締役の小原啓子氏(歯科衛生士)が歯科医院を取り巻く社会環境と日本企業の5Sの活用について述べた。続いて、小泉智美氏(歯科衛生士)が「職場改善のための行動科学」について、藤田昭子氏(歯科衛生士)が「5Sプロジェクトの意義」について説明した。そして再び小原氏が登壇し、5Sを医療法の観点から解説した。
2日目午前は、畠山知子氏(歯科衛生士)が「組織改善に抵抗する勢力への対応」について講義したのち、5Sを導入しているハッピー歯科医院の福村安紀氏(石川県開業)と、同院の脇山好美氏(歯科助手)、新谷満里奈氏(歯科衛生士)が登壇。これまでの苦労と組織改善の成果を述べた。福村氏の話では、業務の効率化により、作業時間が減り、患者さんへの説明に充てられる時間が増えた結果、医院への信頼が増したという。収益が向上しただけでなく、スタッフにとっても、安心で清潔な環境で働けることは大きなプラスになったとアピールした。
続いて午後は、参加者によるグループワークが行われた。診療室、受付、スタッフルーム、消毒コーナーなど、院内のスペースごとに「5Sが実施されていない段階」の写真が提示され、それをもとに問題点と対策を話し合った。参加者たちは、試行錯誤しながらも活発に取り組み、その後のグループ発表でも積極性を発揮していた。
次回のデンタルタイアップのセミナーは、5月10日(日)に広島市で開催予定。「新人育成」をテーマに、新人が働くための基本マナー、業務遂行上の基礎スキル、個人の強みや意欲を生かした取り組み方を教授する。