2015年3月29日掲載
各科講師による講演と質疑応答盛況
藤本研修会、2015年度OB会総会講演会を開催

はじめに登壇したのは補綴咬合コース講師の錦織 淳氏(東京都勤務)で「Anterior Guidanceと審美」と題して、ナソロジーをはじめとする咬合理論の歴史の解説からはじまり、自身がアンテリアガイダンス、ひいては犬歯誘導を重要視する治療に傾倒していった様子を臨床ケースとともに紐解いたものとなった。続いて登壇したペリオインプラントコース講師の藤本浩平氏(東京都開業)は「インプラントを利用した治療計画」と題して講演し、治療ゴール=長期に安定した治療の提供と位置づけたなかで、各種パラメータによる評価、さらにはもしインプラントを利用することになった場合の歯周環境づくりの重要性を説いた。
午後に登壇したエンドコース講師の石井 宏氏(東京都開業)は、「外科的歯内療法」と題して講演。解剖形態の複雑性、クリーニングと根管充填の不完全性、細菌の抵抗性から根管治療の限界を知り、最後の一手として外科的歯内療法に踏み切る姿勢を強調した。ラストバッターはLOTコースの講師である加治初彦氏(東京都開業)が「アンカースクリュー-部分矯正の第一歩」と題して講演。アンカースクリューの登場で診断の壁、エッジワイズの壁がなくなり、よりGPが矯正治療に手を付けやすくなったと述べた。
最後に1時間近く時間を割いて行われたQ&Aでは、「つぎつぎに新しいMTAがだされているが、どのMTAがよいのか?」、「アンテリアガイダンス、犬歯誘導、そして臼歯離開を得るための最適なインサイザルポジションは?」などといった臨床的な質問に終始盛り上がりをみせた。