2015年4月17日掲載
若手歯科医師を対象に、情報を見極めて応用する力を鍛える場が開かれる
EPSDC-EBM入門セミナー開催

昨今では、膨大な情報が氾濫していることもあり、いざ自分で情報を得た場合に、その情報が本当に正しいのかどうかを見極めることが不可欠である。また、歯科医療者は個々の患者さんから信頼されるために、責任をもって医療を提供することが必要である。こうした目的を達成するために活用するのがEBM、つまり「根拠に基づいた医療」ということで、本セミナーでは、EBMに対する正しい理解を深めたうえで、得た情報をいかに解釈・判断するか、その思考回路を1年かけて訓練していく。
初回の今回は、巷でありがちなEBMの誤解をふまえたうえで、正しい捉え方について明示された。EBMと聞くと、いかにもただ1つの答え(真実)を求めてしまいがちであるが、宮下氏はこれを一蹴。あくまでもエビデンスは1つの判断基準に過ぎず、本当に重要なのは、そのエビデンスを目の前の患者さんにあてはめることができるのかを考える臨床実践(Evidence Based Practice)であるとした。
また、臨床でよくみられる誤解の例として、PMTCについて取り上げられた。本来PMTCとは、患者さんがセルフケアを十分に行えないリスク部位に特化して行うものである。実際、スウェーデンではほとんどの患者さんに対しPMTCは原則不要とされており、そのエビデンスも示されていることが氏らの調査で明らかになった。日本の臨床現場との大きな違いに、参加者は大いに関心を寄せていた。
次回から、EBMの実際のノウハウについて、ステップごとに解説される予定。