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2015年8月29日

第14回警察歯科医会全国大会開催

「警察歯科医のための災害シミュレーション」を大会テーマに

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 さる8月29日(土)、ホテルメトロポリン仙台(宮城県)において、第14回警察歯科医会全国大会(日本歯科医師会主催、宮城県歯科医師会主管)が「警察歯科医のための災害シミュレーション~想定外の状況にどう向き合うのか~」を大会テーマに開催され、全国から多数の警察歯科関係者が参集した。

 開会式では、主管県を代表して細谷仁憲氏(宮城県歯科医師会会長)、主催者を代表して高木幹正氏(日本歯科医師会会長)による挨拶のほか、宮城県警察本部長、仙台市長など多数の来賓祝辞が披露された。

 引き続き、佐々木啓一氏(東北大大学院歯学研究科長・歯学部長)による特別講演1「災害対応における大学の役割」では、東日本大震災発生時の被害状況を振り返りながら、身元確認や歯科医療救護における現状と課題などが示され、行政、歯科医師会、大学との一体的な支援体制の整備の重要性について述べられた。今村文彦氏(東北大災害科学国際研究所所長)による特別講演2「シミュレーションで解明する津波災害メカニズム」では、最新の津波シミュレーション技術や、想定外を想定した防災・減災対策について披露され、参加者の注目を集めた。

 その後、シンポジウム「我々にとっての災害とは何か?〜全国に問う災害想定とその対応〜」が開催された。柳川忠廣氏(静岡県歯科医師会)ならびに江澤庸博氏(宮城県警察歯科医会アドバイザー)による座長のもと、後藤 利氏(宮城県警察本部刑事部鑑識課長)、青木孝文氏(東北大副学長・同大大学院情報科学研究科教授)、織田英正氏(高知県歯科医師会会長)、本山智得氏(広島県警察歯科医会専任理事)、割田一志氏(長野県警察本部刑事部捜査第一課検視官室長)、山田伴高氏(警視庁刑事部鑑識課課長代理統括検視官)が登壇。東日本大震災の身元確認活動報告をはじめ、その経験に基づいた南海トラフ大地震への対応、さらには広島県や長野県で発生した大規模災害の被害状況などが数多く披露され、さまざまな災害に備えた多様な仕組みの整備について提言がなされた。

 また、シンポジウム後のポスターセッションでは、災害対策や身元確認、情報分析など23題が出され、セッション終了後には各担当者間で活発な意見交換が行われるなど、会場は熱気に包まれていた。

 なお、次回の第15回全国大会は、2016年9月3日(土)、岐阜グランドホテル(岐阜県)において、「私たちがすべきこと~あらためて問う、警察歯科の役割~」をテーマに開催される予定である。