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2015年11月12日

日本歯科保存学会2015年秋季学術大会(第143回)開催

「保存治療のスペシャリティの追求」をテーマに

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 さる11月12日(木)、13日(金)の両日、文京シビックセンター(東京都)において、日本歯科保存学会2015年秋季学術大会(第143回)、第17回日韓歯科保存学会学術大会(松島 潔大会長、興地隆史理事長)が「保存治療のスペシャリティの追求」を大会テーマに開催された。今大会では、日韓若手セッション、韓国招待講演、認定研修会、60周年記念講演、シンポジウム、特別講演に加え、研究発表や、多数のポスター発表、企業展示が行われた。

 1日目は韓国若手セッションから始まり、招待講演ではDr. Dong-Hoon Shin(タングク大)が「Introduction of NDBE(National Dental Board Examination)」と題して講演。午後には、「食育は噛むことから始まる~味覚は心と気持ちを豊かにする~」をタイトルに、オテル・ドゥ・ミクニの三國清三シェフから、噛むことと社会のかかわりが語られた。

 2日目のシンポジウム「保存治療のスペシャリティの追求」では、まず住友雅人氏(日本歯科医学会会長)が「日本歯科保存学会専門医の立場」と題して登壇。専門医の広告表示ができない日本歯科保存学会専門医の現状を述べたうえで、その実現に向けて日本歯科医学会で検討されている具体的な内容を示した。次に、和田康志氏(厚生労働省)が「歯科医療の専門医制度の政策」と題して登壇。住友氏の話を受け、厚労省で行われている「歯科医師の資質向上等に関する検討会」での新たな専門医制度に対する論点を語った。その論点のなかでは、とくに高齢化、人口減が加速する今後の日本で生じるであろう、さまざまなニーズに対応できる専門医が望まれていることが示唆された。
 その後は、宮崎真至氏(日大)が「保存修復の最前線」と題して登壇。接着材料やレジン充填材料等の、修復材料の歴史を概説したうえで、予防処置を含めた最新の修復材料とその臨床を語った。寺内吉継氏(神奈川県開業)は、「抜髄・抜歯しない歯内療法」と題して登壇。難治性の根尖性歯周炎に対する最新の材料とテクニックを駆使した治療法や、歯髄保存のVital Pulp Therapy等、近年の歯内療法のトレンドを紹介。安易な抜歯や抜髄に警鐘を鳴らした。栗原英見氏(広島大)は「歯周治療の最前線」と題して、主にPeriodontal medicineや歯周組織再生の最先知見を語った。

 また特別講演では「痛みへの対応~痛みの診断・治療のスペシャリストになるために~」と題し、小見山 道氏と牧山康秀氏(ともに日大松戸。後者は脳神経外科医)がそれぞれ登壇。「痛み」に対する基本的な概念を解説したうえで、筋筋膜痛等の実際の臨床例等を基に、その対処法と医療連携について語った。

 次回の第144回となる日本歯科保存学会2016年度春季学術大会は、小木曽文内氏(日大)の大会長のもと、栃木県総合文化センター(栃木県)を会場に、2016年6月9日(木)、10日(金)の日程で開催予定。