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2015年11月28日

第6回日本歯科衛生教育学会総会・学術大会開催

歯科衛生士教育についてさまざまな切り口から学びを深める機会に

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 さる11月28日(土)、29日(日)の両日、神奈川歯科大学(神奈川県)において、第6回日本歯科衛生教育学会総会・学術大会(鈴木幸江大会長、松田裕子理事長)が「アクティブ・ラーニング―主体的な学び―」をメインテーマに開催され、当日は約420名の参加者が集まった。

 2007年に施行された第5次改正医療法では、医薬品や医療機器の安全管理責任者の資格として、歯科医師だけでなく歯科衛生士も明示されている。このことにより、歯科衛生士に対する医療安全教育は必須となっており、特に卒然教育におけるその重要性はますます高まっている。こうした背景を受けて、本会1日目には、シンポジウム「医療安全教育をどのように体系化するか」が企画された。まず基調講演として、中島 丘氏(神奈川県開業)が登壇し、自院で歯科医院業務を安全に実施するために日頃から行っているノウハウを例示しながら、歯科衛生士の医療安全教育に対し開業歯科医師の立場から提言した。その後、歯科衛生士養成校における医療安全教育の取り組みについて、小原由紀氏(医歯大大学院口腔健康教育学分野講師)、鈴鹿祐子氏(千葉県立保健医療大健康科学部歯科衛生学科講師)、田村清美氏(名古屋市歯科医師会附属歯科衛生士専門学校教務主幹)がそれぞれ紹介した。

 2日目には、特別講演が2題行われた。まず、午前には山本龍生氏(神歯大大学院歯学研究科口腔科学講座社会歯科学分野教授)による特別講演1「歯科から健康長寿社会への貢献をめざして―歯の健康とその後の認知症、転倒および要介護状態との関係―」が行われた。氏は、歯の健康がその後の認知症や転倒、ひいては要介護状態と関連している可能性について、自身のエビデンスを中心に詳説した。また、永久歯の主な喪失原因である歯周病とう蝕を予防することは介護予防にもつながるとして、歯科衛生士の役割についてあらためて強調した。なお、本講演の内容に関しては、月刊『歯科衛生士』2015年12月号(小社刊)のADVANCE特集も併せてご覧いただきたい。

 午後の特別講演2「アクティブ・ラーニングの促進から加速へ―反転授業の活用―」では、国内における第一人者である土持ゲーリー法一氏(帝京大高等教育開発/総合教育センター長・教授)が招聘された。氏は、従来の教室内授業と学生による教室外学習を反転させた反転授業を中心に、昨今話題となっているアクティブ・ラーニングの有効性についてユニークな切り口で解説した。その後、歯科衛生士養成校において実際にアクティブ・ラーニングを導入している事例について、堀部晴美氏(福岡医療短期大歯科衛生学科教授)が紹介し、多くの参加者の関心を集めた。

 この他、教育講演や一般口演、ポスター発表も多数行われた。発表演題も年々増えてきているということで、学会として今後の発展がますます期待される中で閉会となった。