2023年12月2日掲載

「Debridementを極める」をテーマに400名以上が参集

第30回JIADS総会・学術大会開催

第30回JIADS総会・学術大会開催
 さる12月2日(土)、3日(日)の両日、ベルサール九段(東京都)において、第30回JIADS総会・学術大会(松井徳雄理事長)が「Debridementを極める」をメインテーマに開催され、400名以上が参集した。

 1日目の午前は、歯科医師、歯科衛生士ら9名による会員発表が行われた。

 午後からは、「天然歯周囲の再生療法」のセッションで大川敏生氏(兵庫県開業)が「リグロス®を用いた硬軟組織マネジメントとその可能性」、中家麻里氏(大阪府開業)が「根分岐部病変の再生~軟組織のコンディションを考慮して~」と題して講演した。特に中家氏は、根分岐部病変は解剖学的に複雑で、なおかつ歯肉退縮などをともない軟組織が良好でないこともあり、治療難易度が高いとした。とはいえ、3度の根分岐部病変があっても軟組織が良好など適切な診断および適応症の見極めができれば、リグロスを用いた再生療法によって予後が期待できるとした。実際に氏は、リグロスを用いて改善が見られたケースを3つ紹介した。

 2日目には「Comprehensive treatmentの実践」のセッションで、土岡弘明氏(千葉県開業)が「Perio-Ortho Synergy~デジタルを活用した包括的歯周治療~」、水野秀治氏(大阪府開業)が「長期安定を考慮した包括的歯科治療の実践」、またインプラント周囲炎のセッションでは、山本敦彦氏(大阪府開業)が「Er:YAG Laserを用いた次世代インプラント周囲炎治療―Er:YAG Laserの劇的進化について―」と題してそれぞれ講演した。

 また今回は、特別講演としてStefano Parma-Benfenati氏(イタリア開業)、Marisa Roncati氏(アルバニア・アルバニア大学准教授)を招聘。Benfenati氏は、2日間にわたり、再生療法について多数の長期症例を挙げて講演した。1つ目のプランが上手くいかなかった際に2つ目のプランを用意しておくことや、インプラントや天然歯の状態を長期に安定させるには健康な歯肉が必要であることを、随所で述べた。一方、Roncati氏は別会場にて、1日目にはハンズオンセミナー、2日目には「非外科的歯周治療」をテーマに講演を行った。

 なお、第31回JIADS総会・学術大会は、きたる2024年11月30日(土)、12月1日(日)の両日、大阪において開催予定。

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