2023年12月2日掲載

4年ぶりの現地開催で盛会となる

第14回日本歯科衛生教育学会学術大会が開催

第14回日本歯科衛生教育学会学術大会が開催
 さる12月2日(土)、3日(日)の両日、日本歯科大学生命歯学部(東京都)において、第14回日本歯科衛生教育学会学術大会(合場千佳子大会長、石川裕子理事長)が「歯科衛生学教育におけるプロフェッショナリズムの醸成―キャリア教育の果たす役割―」をテーマにハイブリッド形式にて開催された。

 ここ数年、教育現場では遠隔授業や代替実習などが行われ、本学会の学術大会もオンデマンド配信のみのWeb開催を余儀なくされていたが、今回4年ぶりに現地でも開催された。なお、本大会のオンデマンド配信は、きたる12月13日(水)12:00~20日(水)17:00までを予定している。

 2日目のシンポジウム「自立を目指すキャリア教育の推進 ―多職種連携授業の展開―」では、小原道子氏(帝京平成大教授)、新井 恵氏(埼玉県立大准教授)、柴田由美氏(昭和大大学院講師)による講演が行われた。なかでも柴田氏は「急性期病院におけるチーム医療の実際と歯科衛生士の役割」と題し、登壇。1つの専門職だけでは解決することが難しい問題も、さまざまな職業の専門性が重なることで、最善の治療やケアにつながっていく。中心にいる患者さんにとって何が必要なのか、全員が科学的に捉え、考え、分析し、そのうえで自分たちのできることを提案したり、発信したりすることが大切だとした。

 産学連携セミナーでは、谷口裕重氏(朝日大教授)が「嚥下調整食って『美味しくない』と思いますか?~美味しく、安全な嚥下調整食を展望する~」と題し、講演した。嚥下調整食は味や見た目でマイナスのイメージが先行してしまうことが多いが、嚥下のためには「美味しさ」が重要であるとし、氏が監修を務めているコメダ珈琲店のとろみコーヒーを紹介。歯科医療者は安全性や栄養、コストパフォーマンスを最初に捉えてしまいがちであるため、美味しい嚥下調整食を目指すには食に関連した企業に力を借りるのが近道だと述べた。最後に、「現在、フレイルやサルコペニアなどによって嚥下障害が複雑化しており、食難民の方が増加している。医療者として多くの人に安全で美味しい食を提供することを大切にしていきたい」と締めくくった。

 その他にも教育講演や特別講演、ランチョンセミナー、ポスター発表など多岐にわたるプログラムにて講演が行われ、盛会となった。

 なお、次回の第15回学術大会は、きたる2024年11月30日(土)、12月1日(日)の2日間、大阪歯科大学楠葉学舎講堂(大阪府)において、糸田昌隆大会長のもと開催予定。

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