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2023年12月10日掲載

意欲ある多数の歯科技工士が参集

日本臨床歯科学会東京支部2023年度テクニシャンミーティング、Web配信にて開催

日本臨床歯科学会東京支部2023年度テクニシャンミーティング、Web配信にて開催
 さる12月10日(日)、日本臨床歯科学会東京支部2023年度テクニシャンミーティング(日本臨床歯科学会東京支部主催、大河雅之会長)がWeb配信にて開催された。

 本ミーティングは、日本臨床歯科学会(Society of Japan Clinical Dentistry〔SJCD〕、山崎長郎理事長)の東京支部が例年開催している、同支部所属の歯科技工士のための発表の場。例年、同学会所属の著名歯科技工士や気鋭歯科技工士、ときには歯科医師が登壇することで注目されている。以下に、今回示された4題の演題・演者および概要を示す。

 午前中は「Air way」をテーマに、2名の演者が講演を行った。最初に登壇したのは「クリニックにおける睡眠時無呼吸症への取り組み」と題して講演を行った片平治人氏(東京都開業)。歯科治療に新しい概念として加わった睡眠時無呼吸に対する治療について解説した。このなかで、従来の歯科技工の目的は欠損修復や歯列の回復のための補綴装置や矯正装置の製作が主であったが、閉塞性睡眠時無呼吸を治療するための口腔内装置(AO)は、呼吸障害や睡眠障害の改善による全身疾患の予防、QOLの向上や社会事故を防止するなど医学的・社会的に意義のある治療であると述べた。

 続いて登壇したのは「Airway dentistry Vol.2」と題して講演を行った土屋 覚氏(歯科技工士、DENTCRAFT studio)。睡眠時無呼吸症の治療における歯科技工士の立場での取り組みについてケースを交えつつ解説し、睡眠時呼吸障害に対する確実なソリューションは確立されておらず、臨床家はいち早く専門家の情報を取り込み、協力を得て臨床に取り入れ、経験を積み上げる必要があるとした。

 午後からは「Digitalと咬合」をテーマに、2名の演者が講演を行った。最初に登壇したのは「Digital Dentistryの限界と可能性」と題して講演を行った川内大輔氏(歯科技工士、Roots)は、咬合の基礎知識を紹介後、自社におけるCAD/CAM技工の取り組みについ解説した。IOSデータを製作する補綴装置について、天然歯・インプラント、前歯・臼歯、単冠・ブリッジなど、さまざまなケースを例に挙げながら、それぞれのケースで起こりやすいトラブルについて解説していった。

 「近未来におけるデジタル技術の発展とシステムの選択基準」と題して講演を行った片野 潤氏(歯科技工士、MDSC TOKYO&OSAKA)は、デジタルデンティストリーについて解説した。口腔内スキャナ、CADソフト、ミリングマシン、3Dプリンターなど、歯科におけるデジタル技術について、独自の検証を行い、高い精度を求めるためにはどのような点に注意すれば良いのかをさまざまな観点から解説した。

 なお、それぞれのテーマの講演終了後にはディスカッションの時間も設けられ、会場内で参加していた日本臨床歯科学会東京支部の役員からの質問やWeb経由で寄せられた会員からの質問を基に活発に意見交換が行われた。

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