2023年12月17日掲載

教育講演に大川敏生氏を招聘し、包括治療における天然歯とインプラントへの環境整備の重要性が語られる

i6 第5回総会開催

i6 第5回総会開催
 さる12月17日(日)、グランフロント大阪北館タワーC(大阪府)において、i6 第5回総会が約50名を集めて開催された。i6(奥田浩規会長)は「歯科を通じて世界に貢献する」を目標に2015年に設立され、関西を中心に活動しているスタディグループである。

 奥田会長の挨拶の後、午前中は「受講生によるプレゼンテーション」が7名の若手歯科医師によって行われた。本プレゼンテーションはi6が主催しているインプラントビギナーコースの受講生に対するステップアップの場としても役立っており、ここではi6理事と今回の教育講演の演者である大川敏生氏(兵庫県開業)の採点により、有方耶々子氏(兵庫県勤務)がアワードを受賞した。

 午後は理事の萩原 誠氏(兵庫県勤務)による「インプラント治療における硬軟組織造成のストラテジー」が行われ、硬軟組織が重度に吸収したケースにおける組織マネジメントについて文献と症例を交えて詳説された。

 休憩を挟み、本総会のメインとなる大川氏による教育講演「包括治療における天然歯とインプラントへの環境整備の重要性 ~歯周病学的配慮がもたらす患者利益を考える~」が行われた。大川氏は、インプラント周囲疾患を発症させないために最大限配慮することで結果としてインプラントを長期的に機能させることが可能となり、患者利益にもつながるという考えのもと、(1)歯周病既往との関連性、(2)歯槽堤の形態との関連性、(3)角化粘膜の必要性、(4)三次元的な埋入ポジションの4つのポイントを歯周病学的視点から考察するとともにインプラント治療における環境整備の重要性を強調した。また、インプラントの埋入深度に関しては粘膜の厚みに加え、自身が用いるインプラントのデザインと表面性状も考慮して決定すべきと解説して好評を博した。

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