第15回PRD（Periodontics & Restorative Dentistry）国際シンポジウム開催

　さる6月12日（木）から15日（日）の4日間、Boston Marriott Copley Place（米国）において、15th International Symposium on Periodontics & Restorative Dentistry（第15回PRD国際シンポジウム：Quintessence International Publishing Group主催、Dr. Gustavo Avila-Ortiz、Dr. Oscar Gonzalez-Martinともに大会長）が、約1,500名の参加者を集めて開催された。

　3年に一度開催される本シンポジウムは、歯周病、補綴およびインプラント治療における世界的権威らが参集し、各分野の最新動向にかかわるプログラムで構成される。今回も世界各国から招聘された研究者・臨床歯科医師70名により、12題のセッションおよび6題のワークショップが行われた。

　各セッションは、歯周形成外科、再生療法、審美修復、インプラント周囲炎、インプラント補綴、デジタルデンティストリーなどの分野をテーマにしたものから、歯科衛生士を対象にした内容のものも企画され、著名な演者らによる講演が展開された。なかでも、２日目午前中に行われた“Interdisciplinary Dentistry with the Masters”のセッションは、約1,200名収容の会場で立ち見が出るほどの盛況を呈した。Prof. Mariano Sanz（マドリード・コンプルテンセ大学・スペイン）、Dr. Eric Van Dooren（ベルギー開業）、Dr. Stephen J. Chu（米国開業）、Dr. Frank Spear（米国）が次々と登壇し、審美的かつ学術的な講演を行い、その後のディスカッションにおいても時間内に収まりきらないほどの質問が寄せられていた。

　日本からは、2日目に築山鉄平氏（福岡県開業）が、“Maximizing Esthetic and Functional Outcomes of Restorative Therapy”セッションのトップバッターとして登壇。「Treatment Strategies for Periodontally Compromised and Altered Teeth in the Esthetic Zone」と題し、歯周病による歯周組織の喪失、および萌出異常を呈した複雑な症例における審美的治療戦略について解説した。講演の冒頭、築山氏は、スマイル時に歯肉が１～３ミリ現れている状態が理想的と述べ、それを実現するためにボツリヌス療法による非外科治療から、口唇移動術や歯冠長延長術などの外科治療を、適応に応じて組み合わせた複数の症例を供覧した。なかには、歯周組織再生誘導法やルートサブマージェンステクニックを併用した症例も含まれており、高難度なテクニックをアピールしていた。

　次回のPRD国際シンポジウムは、2028年6月8日（木）から11日（日）に今回と同じ会場で開催される予定である。