萬人一語

「伝える」から「伝わる」情報発信へ

2023年1月号掲載

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2023年1月号掲載

「伝える」から「伝わる」情報発信へ

 先日、日本歯科医師会は一万人を対象にした「歯科医療に関する一般生活者の意識調査」を実施しました。その結果によると、定期的な歯科受診者は5割以下であり、10代・20代にいたっては6割以上が定期的なチェックを受けていません。

 近年、若年層のう蝕の罹患率は減少傾向にありますが、口腔への意識の低さや口腔と全身の健康の関係について認知が低いことなどが指摘されています。これらの課題が受診行動に関係しているのではないでしょうか。2022年6月、ニュースなどで話題となったいわゆる「国民皆歯科健診」のような仕組みに期待する声は歯科界でも多いですが、実現まではまだまだ時間がかかるでしょう。

 歯科医療に限らず医療全般に関心が低い国民にどのようにアプローチしたらよいでしょうか。興味深い取り組みとして、横浜市は医療広報の一環で2019年度より患者さんや医療従事者それぞれによる“視点の違い”をマンガで表現・発信するという「医療マンガ大賞」を実施しています。第4回となる今回は歯科部門が新設され、弊社は協力企業として連携させていただきました。歯科受診のタイミングをテーマとし、歯科衛生士と患者さんそれぞれの視点で描かれた応募作品は、どれも完成度が高いものでした。日々、歯科の専門的な情報を取り扱うなかでわかりやすく伝える「マンガの力」。恐れ入りました。

 引き続き、歯科の世界をさまざまな視点から捉え、「伝える」だけで満足することなく「伝わる」ことを念頭においた情報発信に努めたいと思います。