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2016年7月2日

市川市歯科医師会、口腔粘膜研修会を開催

「歯科衛生士こそ口腔粘膜疾患を理解しよう!」をテーマに

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 さる7月2日(土)、市川市歯科医師会会館(千葉県)において、歯科衛生士を対象とした口腔粘膜研修会(市川市歯科医師会主催)が開催された。非会員の医院も含め90名あまりの歯科衛生士が参加し、会館の2階と3階を埋め尽くすほどの盛会ぶりだった。

 長谷川 勝氏(千葉県開業)の開会挨拶のあと、片倉 朗氏(東歯大口腔外科教授)が登壇。「歯科衛生士こそ口腔粘膜疾患を理解しよう!」をテーマに、口腔がんによる死亡者数、口腔粘膜のがん化のプロセス、検診の種類や国の政策といった全体像を説明したのちに、患者の口腔内写真をもとに疾患やその兆候を見分ける方法を解説した。

 口腔内の診察と記録の手順や、注目すべき粘膜病変、歯科医師への報告のしかたなど、歯科衛生士目線で必要なことが具体的にまとめられており、聴衆は熱心に聞き入っていた。なかでも、口腔粘膜疾患を「赤」「白」「黒」「黄」の色別に分類し、多種多様の疾患について感覚的に整理する視点を与えていたのがユニークで、特に前がん病変である紅板症と白板症について、注意を要するものとして詳しく解説されていた。

 最後に、口腔粘膜疾患の早期発見のポイントとして、「口腔を隅々まで観察する」「普通と違う状態を意識する」「確定診断にこだわらず、異常を感じたらまず報告する」を挙げ、歯科医院で最初に患者の口腔内を見る歯科衛生士が口腔粘膜にも意識を向ける重要性を訴えた。