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2016年11月3日

Club GP創立15周年記念大会が盛大に開催

「補綴のLongevityを再考する」をテーマに

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 さる11月3日(木)、ブリーゼプラザ(大阪府)において、Club GP創立15周年記念大会(佐藤琢也代表)が、全国より多数の参加者を集め盛大に開催された。

 Club GPは、歯科専門分野の垣根を超えた臨床を学び実践する場として1998年7月に設立。現在は、定例会においてEBMの考察と臨床の研鑽の両立を視野に入れた症例報告、症例検討、文献抄読、寄付などの社会活動、年間コース、Club GP Advanced Memberによる年数回のミーティングの開催など、積極的な活動を展開している。また、東京SJCDとのコラボレーションのもとA-PACというイベントを立ち上げ、海外臨床医との交流も積極的に図っている。本大会では、冒頭で代表の佐藤琢也氏(大阪府開業)が挨拶に登壇し、上記をはじめとしたグループの足跡を語った。

 次に、演者である窪木拓男氏(岡山大教授)が登壇。当初は顎関節症を専門としていた自身の研究者としてのラーニングカーブを振り返りながら、海外への留学を契機にEBMにもとづいた研究の重要さを再確認した経緯について、各種のデータ、研究結果の比較を提示しながら解説した。

 また、インプラント治療に関連した話として、中間歯欠損においては、適応症、成功率を考慮しながら、接着性ブリッジなどの適用も視野に入れ、幅広い観点から治療計画を行うべきと語った。さらには、インプラント周囲歯肉の安定性、無歯顎インプラント治療における本数とデザイン、即時荷重の有用性などについて詳説した。そして、患者のQOLを満たす治療こそが最重要であることを強調し、豊富な内容の講演を結んだ。

 続いては、同じく演者の山崎長郎氏(東京都開業)が登壇。冒頭で、これからの歯科医師は、自身の臨床データをきちんと記録しておくこと、英語力を磨くこと、文献を読むことの3点が大切である、とのシンプルなメッセージを聴講者に送った。

 天然歯の治療に関しては、日本におけるマイクロスコープの普及率の高さに言及。現在では「良い歯科医師」の定義は変化し、技術だけではなく、設備も含めた総合的な要素が判断されると述べた。また、自身が行っている審美修復治療をチームアプローチで行っていることを紹介し、ラミネートベニアや、マイクロとピエゾ機器を用いた支台歯形成、ルートカバーリングテクニックなどを行った症例を供覧し、高度なテクニックを余すことなく披露した。

 インプラント治療に関しては、特に即時荷重症例を中心に解説。外科的な観点からは、垂直的骨造成がもっとも難易度が高いため慎重に行うことが重要であると語った。また、補綴的な観点からは「インプラントの即時荷重で失敗する理由はプロビジョナルレストレーションにある」とし、治療計画の段階から歯科技工士が介入することが重要であると述べた。さらには、ガイデッドサージェリーを用いること、そして歯科医師と患者がゴールを共有することの重要性を強調した。

 佐藤代表の司会のもと行われた講演後のディスカッションでは、窪木氏、山崎氏より臨床に直結する話が飛び出し、聴講者が熱心に聴き入る姿が印象的であった。まさに、新進気鋭と呼ばれる臨床医を数多く輩出してきた本スタディグループにふさわしい大会であり、16年目に向けた歩を踏み出すことへの大きな期待を感じさせる一日となった。