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2017年6月18日

日本大学歯学部同窓会、生涯研修2017講演会を開催

鶴町 保氏、木ノ本喜史氏が登壇

 さる6月18日(日)、日本大学歯学部大学院大講堂(東京都)において、日本大学歯学部同窓会生涯研修2017 講演会「根管治療を成功に導くために」が開催され、鶴町 保氏(日大歯学部非常勤講師)、木ノ本喜史氏(大阪府開業)が講演した。

 鶴町氏は「あなたの根管治療はここがまちがっている」と題して講演。まず、感染した樋状根で治療に難儀していた外歯瘻症例でCTや顕微鏡を用いて治療した症例を紹介。つぎに、歯内歯の歯髄への陥入の度合いを3段階に分けた歯内歯の分類をもとに、歯内歯の感染根管治療の失敗例と成功例を紹介。そして、中心結節が破折、歯根破折して感染した症例にアペキシフィケーション、アペキソジェネシスを行った症例を紹介。最後に、歯髄壊死して根尖部に病変を有する歯根未完成歯に、根尖周囲組織にオーバーインスツルメントして出血させて、血管再生を起こさせるリバスクラリゼーションを行った症例を紹介した。ただ、このリバスクラリゼーションによる根管狭窄と歯根の成長は、再生ではなく、修復セメント質か骨様硬組織による修復だと述べた。

 木ノ本氏は「根管充填後のコロナルリーケージ」と題して講演。セメント合着後に外れにくいとされるはずのポスト・コアだが、再根管治療時にはポスト・コアの除去に難儀することはなく簡単に外すことができることが多い。この理由は、セメントが劣化してしまうからと推測され、ポスト・コアを合着しているセメントによる封鎖は経年的には劣化し、コロナルリーケージが起きてしまう、と述べた。

 また、根管充填・支台築造(ポスト挿入)時にデッドスペース(ポストとガッタパーチャ間の空隙)があってはコロナルリーケージ・修復後の再感染が起こる可能性が高いことを示した。現在はファイバーポスト・レジンコアが用いられるが、これにもレジンの重合収縮により間隙ができることを考慮して、窩洞内の残存壁数によりポスト・コアの選択を変えて、コロナルリーケージが起こらないようしなければならない、と述べた。

 木ノ本氏は、実は、ポスト・コアは歯冠修復のためだけに必要なわけではなく、支台築造が入るまで歯内療法は続いており、支台築造の操作中も感染を意識した処置が必要で、根管への確実な接着で、コロナルリーケージを防ぐことが重要である、とまとめた。