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2017年10月29日

第1回要介護におけるインプラントを考える会開催

要介護を見据えたインプラント治療の治療指針が検討される

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 さる10月29日(日)、秋葉原UDX(東京都)において、第1回 要介護におけるインプラントを考える会(一般社団法人日本インプラント臨床研究会主催、田中譲治会長)が、要介護におけるインプラントの是非と対応法をテーマとして開催された。台風の接近にともなう強い風雨にもかかわらず、約180名の参加者が集まり盛況となった。

 インプラント治療は、欠損周囲歯に負担をかけずに審美や咀嚼機能を回復できるすぐれた治療と認識されている。しかし、寝たきりや認知症などの要介護の状態になると定期的なメインテナンスや適切な清掃が行えないため、口腔衛生状態不良、誤嚥性肺炎、咬傷などの要因ともなる。本会は、長寿社会を迎え避けては通れないこれら問題点と向き合い、今後の治療指針を得ることを目的として立ち上げられた。

 まず、開会講演で田中譲治氏(千葉県開業)が登壇した。超高齢社会における要介護を見据えたインプラント治療の問題を提起するなかで、使用者だけでなく介護者も着脱、メインテナンスの行いやすいインプラントオーバーデンチャーの有効性などを訴えた。

 次いで基調講演では、萩原芳幸氏(日歯大)、米山武義氏(静岡県開業)、井汲憲治氏(群馬県開業)、武内博朗氏(神奈川県開業)が登壇した。要介護を見据えたインプラント埋入と上部構造の設計や、医科など多職種と連携した口腔ケア、咀嚼機能回復後の摂食環境整備などについて語られた。

 その後のシンポジウムでは守口憲三氏(岩手県開業、日本訪問歯科協会理事長)、角田宗弘氏(日高病院歯科口腔外科)、小林真理子(汐田総合病院歯科口腔外科)、山口千緒里氏(ブローネマルクオッセオインテグレーションセンター、歯科衛生士)が、訪問歯科を行う歯科医師、歯科衛生士、病院入院・通院患者を診る歯科医師それぞれの立場から、インプラントの設計と口腔ケアについて考察した。

 最後に行われたディスカッションでは、ライフステージを考慮して設計変更を行えるスクリュー固定式の上部構造、多職種との緊密な連携、インプラント手帳の活用などの、要介護を見据えたインプラントの治療指針が打ち出された。