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2017年11月3日

東京歯科大学短期大学開学記念フォーラム開催

「未来へ羽ばたく歯科衛生士たちへ」をテーマに

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 さる11月3日(金)、血脇記念ホール(東京都)において、東京歯科大学短期大学開学記念フォーラム(東歯大歯科衛生士専門学校同窓会主催)が「未来へ羽ばたく歯科衛生士たちへ」をテーマに開催され、歯科衛生士らが多数参集した。本フォーラムは、平成29年度第2回東京歯科大学歯科衛生士専門学校同窓会卒後研修セミナーとして、同同窓会が1年前より企画したもので、第67~69期に当たる在校生も多数出席した。

 はじめに、石井拓男氏(東歯大短期大学学長)からの開会挨拶ののち、井出吉信氏(東歯大学長)、山田好秋氏(東歯大短期大学副学長)それぞれによる特別講演が行われた。
 
 次に、藤平弘子氏(東歯大市川総合病院)の座長のもと「国民のニーズに対応した歯科保健医療の提供と歯科衛生士の未来」をテーマにしたシンポジウムが行われた。まず基調講演として、石井氏が登壇。歯科衛生士資格の誕生から現在に至るまでの歯科衛生士の歴史を、東京歯科大学とからめながら解説した。続いて、東歯大歯科衛生士専門学校の卒業生4名と歯科医師1名が登壇し、それぞれの立場から歯科衛生士に求められる国民のニーズについて意見を述べた。白鳥たかみ氏(東歯大短期大学講師)は、周術期口腔管理に代表されるように、医科疾患のある患者に対応でき、他職種と連携する能力が求められているとし、実習設備を紹介しながら同校の教育について述べた。重久可奈子氏(公益財団法人ライオン歯科衛生研究所)は、18~64歳の「職域」世代への歯科保健活動の重要性について意見を述べた。この時期は口腔も全身も健康格差が広がり、その後の高齢期の健康にも影響がある。しかし、産業歯科保健活動の提供は年間約2.5%と低く、就業者本人だけでなく各健康保険組合や経営者へのはたらきかけも必要と指摘した。さらに、歯科大学病院勤務の立場から上島文江氏(東歯大水道橋病院)が、専門領域の歯科医師の立場から大久保真衣氏(東歯大口腔健康学講座摂食嚥下リハビリテーション研究室講師)が、医科大学付属総合病院勤務の立場から佐久間寿美代氏(慈恵会医科大病院)が登壇して意見を述べた後、シンポジスト全員によるディスカッションが開かれた。

 ディスカッションでは、これからの歯科衛生士に身につけてほしいものとして、こまめな診療記録、科学的根拠のある知識、全身疾患の知識、地域包括ケアシステムへの対応力、がん治療を見据えた口腔管理能力などが挙げられた。最後に、石井氏が会場の歯科衛生士に向けて「生涯歯科衛生士を続け、歯科衛生士をまっとうしてほしい」と結んだ。