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2017年11月12日

日本臨床歯周療法集談会(JCPG)第34回学術大会開催

「歯を残せる歯科医院を目指す! Episode4 長期症例から見えてきた歯周基本治療の威力」をテーマに

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 さる11月12日(日)、東京医科歯科大学M&Dタワー 鈴木章夫記念講堂(東京都)において、日本臨床歯周療法集談会(JCPG)第34回学術大会(谷本 享実行委員長、小林和一会長)が「歯を残せる歯科医院を目指す! Episode4 長期症例から見えてきた歯周基本治療の威力」をテーマに開催された。

 午前中は、「患者さんに磨く自信をもたせるには」と題し、清水雅雪氏(愛知県開業、JCPG副会長)が登壇。はじめに、磨き方のテクニックより、なぜ磨かないといけないか、つまり、歯周治療成功の鍵は患者によるブラッシングにあり、それを歯科がサポートしていくことを初診時にしっかりと患者に説明すべきだと解説。そのうえで、患者のモチベーション管理をすべて歯科衛生士任せにしてはいないかと参加者に問いかけ、「初診時の説明は歯科医師からすべきで、それがスタートとなる」と述べた。また、「たとえ説明が歯科衛生士と同じ内容であっても、歯科医師からも患者に伝えることで、患者の歯科衛生士に対する信頼獲得につながる」とした。さらに、信頼関係を築くためには、患者の話をよく聞く、患者の訴えや意見を安易に否定しない、患者の口腔内状態を安易に評価しない、行動のよい点を見つけて褒める、などのポイントを紹介した。

 その後、小笠原 夢氏、池田恵美氏、瀬口真由氏(すべて愛知県勤務、歯科衛生士)による症例発表が行われた。各発表後には、辰巳順一氏(明海大准教授)野村正子氏(日歯大東京短期大学准教授)をコメンテーターに迎え、ディスカッションの時間が設けられた。会場からは臨床における具体的な質問が飛び交い、活発な意見交換が行われた。

 昼休みには関 豊成氏(東京都開業)を座長に迎え、会員によるポスター発表が行われた。休憩時間にもかかわらず多くの参加者が集い、熱気あふれる時間となった。

 午後には、牧野 明氏(富山県開業)が「質の高い歯周基本治療と経過観察」と題し、多くの症例とともに質の高い歯周基本治療の意義について説明。畔川澄枝氏(富山県勤務、歯科衛生士)からは「歯周基本治療・歯科衛生士の役割」と題し、モチベーションの維持と質の高いプラークコントロールについて解説された。「歯周治療の基本は患者のモチベーションと、それを持続させること」だとし、両氏の発表からは、歯科医師と歯科衛生士がともに協力しあいながら患者と向き合っているようすがうかがえた。

 最後に亀田行雄副会長(埼玉県開業)から、「一日で多くの知識に触れることができたが、これを持ち帰るだけでなく、何か一つでもいいので明日から実践してみてほしい」と閉会の辞が述べられ、盛況のうちに幕を閉じた。