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2017年11月12日

第9回O'tama特別講演会開催

「ベテラン臨床家が、今、若手に伝えたいこと『予後を考えた歯科治療』~歯質ならびに力のコントロール~」をテーマに

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 さる11月12日(日)、国立市せきやホール(東京都)において、O’tamaの会第9回特別講演会(武内久幸氏主宰)が、「ベテラン臨床家が、今、若手に伝えたいこと『予後を考えた歯科治療』~歯質ならびに力のコントロール~」をテーマに開催された。

 まず同会会員である平出光一氏(東京都開業)による会の活動報告の後、毎回、演者として招聘されているという若林健史氏(東京都開業)による「症例から治療計画を考える」が講演された。活動報告で登壇した平出氏が参考症例(歯周病罹患患者)を提示し、それを受けて、自身の経験から裏打ちされた治療計画を提案する形式で催された。

 つづいて登壇したのは、逆に今回が初招聘となる仲村裕之氏(神奈川県開業)。「過度の咬合力の為害性とその力のコントロールの試み」と題して、今注目を集めるTCHを整理し、その傾向と患者に対するアドバイス、対策などについて自身の試みを披露した。

 午後には、会員発表をはさんで主宰の武内氏(東京都開業)による「力の長期経過」が行われ、開業30年の臨床のなかで、感染根管処置された歯、6mm以上のポケットを有する歯、その双方を有する歯に強い力が加わった場合の3つの要因を合わせもつクラウンの10年以上経過した歯について調査結果が報告された。

 さらに最後に平田幸夫氏(神歯大前学長)が登壇し、「知っておきたいフッ化物応用の意識と知識」と題して講演。WHOが長年推奨してきたう蝕予防に対するフッ化物応用の現況と、1,500ppmFまでの配合が可能となった最新フッ化物製剤の情報が提供された。

 2009年にスタートした本特別講演会であるが、武内氏の人脈による実力派講師陣を招いて今年で9年目を迎えたという。今や若手臨床家のレベルアップにつながる催しとして定着してきた感がある本講演会の今後の動向が注目される。