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2018年12月2日

第32回日本エイズ学会学術集会内でワークショップ歯科開催

「歯科受診が契機でHIV感染症が判明した症例」をテーマに

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 さる12月2日(日)、大阪国際会議場(大阪府)において、第32回日本エイズ学会学術集会内で「歯科受診が契機でHIV感染症が判明した症例」をテーマにワークショップ歯科が開催され、約40名が参加した。

 後藤 哲氏(国立病院機構仙台医療センター歯科口腔外科)ら、平島惣一氏(産業医科大病院歯科口腔外科)ら、永井孝宏氏、高木律男氏(新潟大大学院医歯学総合研究科顎顔面口腔外科学分野)ら、宇佐美雄司氏(名古屋医療センター歯科口腔外科)ら、有家巧氏(独立行政法人国立病院機構大阪医療センター口腔外科)らが症例を発表。

 歯痛、舌痛、違和感、知覚異常などを主訴に来院した患者の、難治性の口内炎、歯肉腫脹、腫瘤、白苔症、発熱、深い潰瘍、体重減少、若年者なのに発症した口腔カンジダ症を契機に、免疫不全を疑い、CD4値などの検査をしたところHIVに感染・発症していることがわかった症例が、各々の演者から数例ずつ報告された。また、多くのHIV感染者に口腔内の症状が発症すること、通常だとありえない口蓋や鼻腔の瘻孔や歯の脱落、骨欠損、知覚異常が認められる場合は、HIV感染とAIDS発症を疑わなければいけないことが示された。

 座長の前田憲昭氏(医療法人社団皓歯会)は、「症状が発症するAIDSの前のHIV感染の状態で発見されるようにすることが望まれる」と述べ、またもう一人の座長の連 利隆氏(兵庫県立柏原病院歯科口腔外科)は、「HIV感染の疑いのある症例では、鑑別診断時にHIV検査をするように啓発していくことが必要」とまとめた。