2020年1月25日掲載
大阪の本会場と7つのサテライト会場に歯科技工士が250名参集
モリタ歯科技工フォーラム Dental Technicians' Forum 2020 in Osaka開催

最初に登壇したのは、「デジタル化におけるCAD/CAMセレクトとその応用」と題して講演を行った吉澤琢真氏(歯科技工士、TAC Dent field)。吉澤氏は現在所有しているCAD/CAMシステムについて、実際に製作したケースを用いて解説した。CAD/CAMデンチャーやモノリシックジルコニア、インプラント技工など、多くのケースが紹介されたが、なかでも冒頭で解説したCAD/CAMデンチャーの製作ステップには、多くの聴講者が注目していた。
次に登壇したのは、「ラボサイドから見るシロナコネクトの現在」と題して講演を行った伊藤竜馬氏(歯科技工士、リープ・セラミック・アーツ)。伊藤氏は自身が所有しているSirona inLab. CAD/CAMシステムを用いて製作したケースを、フルレイヤリング、フェイシャルカットバック、シロナコネクトを介在させたモノリシックジルコニアの3つのパターンに分けて解説した。それぞれの場合において、どのようなジルコニアディスクを使用するのが望ましいのか、その選択基準を審美的な症例を用いて解説した。
続いて登壇したのは、「歯科医院併設ラボのデジタル歯科診療におけるチーム連携について」と題して講演を行った柴田真琴氏(歯科技工士、Co,lab)。柴田氏はデジタルに力を入れているという自身のラボの特長を紹介するとともに、歯科医院に併設しているラボとしてチェアサイドとラボサイドがどのような形で日々の臨床を行っているのかについて紹介した。
最後に登壇したのは、「歯科技工業の魅力を追い求めて」との演題で講演した南澤英樹氏(歯科技工士、Dental Lab.SCALA)。南澤氏は自身が過去にどのような職場環境や想いで技工業界を生きてきたのかを振り返ったうえで、現在は日々の臨床やラボ経営にどのような気持ちで向き合っているのかを述べた。そして、経験の浅い歯科技工士に対して、コミュニケーションの重要性や、自分自身で環境を変えていくための努力をすることの大切さなど、熱いメッセージを送った。
4名の演者が講演を行った後は、座長を務めた増田長次郎氏(歯科技工士、カロス)が総括を行い、盛況のうちに幕を閉じた。増田氏は各演者の共通点として、デジタルを活用して臨床を行っているが、その土壌には確かなアナログの知識と技術があることだと述べ、2つの知識をともに伸ばすことの重要性を説いた。
デジタル技工の講演内容に特化したこと、そして全国にサテライト会場を設けたことなど、例年とは異なる取り組みを行い盛況となった本会。来年以降はどのような取り組みを行うのかも注目したい。