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2020年12月5日

日本がん口腔支持療法学会、第6回学術大会を開催

「みんなでつなぐ、サポートの輪」をテーマに、オンラインLIVEで盛会

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 さる12月5日(土)、6日(日)の両日、日本がん口腔支持療法学会第6回学術大会(光永幸代大会長、曽我賢彦理事長)が「みんなでつなぐ、サポートの輪」をメインテーマに開催された。本大会は新型コロナウイルス感染症の拡大が懸念されるなかWeb開催となったが、オンラインLIVEで盛会となった。

 2日間にわたり、教育講演2題、特別講演、緊急シンポジウム、一般口演7題、ポスター発表5題など多数のプログラムが展開され、新型コロナウイルス感染症流行下における口腔支持療法を実践した内容も披露された。

 なかでも、2日目に開催された大田信行氏(Preferred Networks America, Inc.)による特別講演「深層学習の隆興と医療における今後の展望」は聴講者の注目を集めた。米国からオンラインで参加した大田氏はまず、本学会名誉会員である故・大田洋二郎氏の実弟であることや家族とのエピソードを紹介しながら関係者への感謝の意を示した。講演ではAI(人工知能)研究の最先端を行く大田氏より、さまざまな医療分野に応用され始めている深層学習(Deep Learning)の概要や特徴、現在開発中のAIを活用したがん診断の問題点や課題などがわかりやすく解説された。またAIの展望として、ゲノム分析の進化をはじめマルチタスクでの診断、治療、創薬への利用などによる早期の診断・治療が可能になることや、AI技術の進歩による医療従事者の仕事についても言及。AIはあくまでも医療従事者の負担を減らすサポート的な役割で進んでいくと強調し、AIと医療従事者・患者が敵対することなく「さまざまな医療分野で人とAIが協力して利用することがAI医療の真の姿」とまとめた。

 がん口腔支持療法は日常臨床として広く周知されつつあるが、学問としては比較的新しい分野といえる。今後の口腔支持療法の発展とがん医療の向上につながることに期待したい。

 なお、本大会はホームページにてオンデマンドプログラム(参加登録者のみ閲覧可能)を公開中(2021年1月17日まで)。